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弁護士コラム

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VTuber事務所の運営するに当たっては、所属VTuberと揉めてしまうケースも想定されます。
特に契約期間の途中で所属VTuberが突然「引退したい」と言ってきたら、違約金の請求が大きな問題となります。違約金を巡ってトラブルになったら、弁護士のサポートを受けながら解決を目指しましょう。以下では、VTuberとの間でトラブルとなり、裁判に至った例を解説します。
令和6年11月に東京高裁で判決が言い渡された訴訟では、VTuber事務所のX社が所属する女性Yに対して違約金を請求していたところ、事務所側の敗訴が確定しました。
YはX社との間で、令和4年7月に所属契約を締結しました。契約期間は2年程度で、契約内容を守らない場合は500万円の違約金を支払う旨が定められていました。
デビューしたYは、約1か月後に適応障害などの診断を受けました。Yは2か月の自宅療養を要するとの診断書をもとに、X社に一定期間の活動休止を申し出たところ、X社はYに対して、1か月の療養は認めたものの、その後復帰をしなければ契約破棄となることや、その場合に500万円の違約金が発生することを繰り返し述べ、療養1か月経過後の復帰の有無について回答を求めました。その後、Yから本契約解除の申し出があり、X社は、Yに対して、業務をしないことによる債務不履行として、契約違反を理由に500万円の違約金を請求し、訴訟を提起しました。
高裁での訴訟(控訴審)では、Yが活動を休止したことにつき、Yに債務不履行の責任を負うべき帰責性があるか否かが主に争われました。
そして、裁判所は、一審と同じく控訴審でもY側の主張を認めました。Yの体調不良による活動休止は、VTuberとしての配信活動等の内容及び性質に照らしYに帰責性のあるものとはいえないことや、X社がYの精神状態への配慮に欠ける指示を行った結果、両者間の信頼関係が破壊されたために契約解除を余儀なくされたと認定し、いずれもY社の請求を棄却しました。
このような違約金を巡って所属VTuberとのトラブルが発生した場合、事務所側としてはできる限り穏便に、訴訟になる前に解決することが望ましいです。
訴訟を避けながら解決を目指すには、弁護士に代理交渉を依頼することをおすすめします。感情的な対立を避け、法律や契約の定めを踏まえて交渉することにより、スムーズかつ適切な形での解決が期待できます。
交渉がまとまらないときは、やむを得ず調停や訴訟などの裁判手続きを利用することになりますが、弁護士に依頼していればスムーズに対応してもらえるので安心です。
事務所がVTuberと所属契約(タレント専属契約)を締結する際には、将来的にトラブルが発生することを想定し、違約金条項などを適切に定めることが求められます。
所属契約においては、主に以下の事項などを定めましょう。
所属契約における違約金条項の記載例を紹介します。
本人の都合による中途引退・勝手な行動などが発生した際に、違約金を請求できる旨を定めておきましょう。
ただし、違約金が高すぎる場合や、事務所都合で契約を解除するときも違約金が発生する旨を定めている場合などには、違約金条項が公序良俗(一般的な道徳、良識などのこと)違反で無効となるおそれがあります。
VTuberを不当に搾取するような契約内容になっていないかどうか、契約締結前に慎重に確認しましょう。
契約終了後長期間にわたってVTuberとしての活動を禁止したり、本名の使用を禁止したりする契約条項は、公序良俗違反で無効となる可能性があります。
契約条項の一部が無効になると、事務所側にとって予期せぬ事態を招くおそれがあります。契約を締結する時には、不適切な条項が含まれていないかどうかについて、弁護士のアドバイスを受けましょう。
VTuberが引退を決意するきっかけとしてよく見られるのが、いわゆる「アンチ」からの誹謗中傷です。誹謗中傷を受けた所属VTuberが引退を申し出たときは、以下の対応を検討しましょう。
誹謗中傷を受けたVTuberは、精神的に相当参っていることでしょう。所属事務所としては、できる限り本人の精神的ケアを行いましょう。事務所のサポートによって本人が立ち直れば、引退を撤回するかもしれません。
他の所属VTuberに対するものを含めて、誹謗中傷の被害を繰り返さないようにするためには、誹謗中傷の投稿者の責任を追及することも検討すべきです。
匿名の投稿であっても、発信者情報開示請求や発信者情報開示命令によって投稿者を特定できる可能性があります。投稿者を特定できたら、損害賠償を請求しましょう。
なお、発信者を特定するためには、プロバイダが持っているログイン記録などが必要になりますが、この記録は一定の期間しか保管されません。そのため、開示請求や損害賠償をお考えなら、なるべく早めに弁護士に相談することをおすすめします。
契約の途中で引退を申し出た本人に対して、違約金を請求することも考えられます。
ただし、事務所側が不適切な対応をとった場合や、誹謗中傷の被害者である本人に落ち度がない場合などには、中途解約による違約金の請求が認められない可能性が高いです。
事務所としては、本人のケアなどを十分に行い、違約金請求が認められるかどうかを法的に検討したうえで対応を決めましょう。弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。
VTuberと締結する契約以外にも、こうした事業を行う際にはさまざまなポイントに注意しなければなりません。主な注意点をいくつか紹介します。
「歌ってみた」動画の作成やゲーム実況配信の実施などをするときには、他社著作物を使う必要が出てきます。その際には、その著作権を侵害しないように注意しましょう。具体的には、著作物の利用規約を読んで逸脱しないように努めるか、その企業に連絡を取って許諾を得ることが必要です。これは、VTuberの活動に用いるイラストや音楽を作る際にも同様です。
また、他社によって自社の著作権を侵害されることも想定しておくべきです。自社のイラストや音楽などが模倣されているのを見つけたら、販売差し止めや損害賠償の請求を検討しましょう。
VTuberを作り上げるにあたって外部のイラストレーター(絵師)や2D・3Dモデラ―に依頼をするパターンでは、外注先とは必ず契約書を締結し、依頼内容や著作権の所在を明確化しておく必要があります。
またデビュー後には、コンテンツ制作やイベント開催などについて、他の事業者と協力すべきケースが出てくることでしょう。その際にも、必ず協力事業者との間で契約書を締結しましょう。合意事項を契約書に明記しておけば、トラブルのリスクを最小限に抑えられます。
VTuber事業を他人に譲渡する場合は、VTuberの声を担っている声優との契約も譲渡先に引き継ぐ必要があります。声優が変わるとキャラクター自体が全く変わったように感じる人が多いからです。しかし、事業を譲渡する者と声優の間の契約関係は、事業譲渡を行ったからといって譲渡先に当然には引き継がれません。声優には、譲渡先との間では契約をしないという選択肢がありますので、その声優が譲渡先との契約を拒否し、事業譲渡が破談になってしまうケースもあり得ます。
事業譲渡を検討している場合は、あらかじめ声優に対して説明を尽くし、理解を得るよう努めることが大切です。
広告であることを明記せずに、自社の商品やサービスの広告を行ったり、インフルエンサーに依頼して広告をさせたりすることは「ステルスマーケティング」と呼ばれています。
ステルスマーケティングは景品表示法違反であり、発覚すると消費者庁から措置命令を受けるおそれがあります。Vtuberに宣伝をさせるときは、必ず広告であることを明記しましょう。また、VTuberとして他社の宣伝をする際にも、同様に注意を払いましょう。
VTuber事業を運営するに当たっては、さまざまなトラブルや法律上の論点に注意しなければなりません。
特に誹謗中傷や炎上が起こった場合、事業における悪影響が大きくなる可能性があります。こうした場合、誹謗中傷を受けた本人のケアと並行して、なるべく素早く法的対処も実施することが大切です。誹謗中傷への対策は事前に十分講じておくべきですが、自社だけでその対策を行うことは難しいので、あらかじめ弁護士に相談することをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所は、VTuber事業に関する法律相談や事業に対する風評被害誹謗中傷への対処のご相談を随時受け付けております。ニーズに応じて利用できる顧問弁護士サービスもご用意しております。
トラブルのリスクを軽減しつつ、安定的に事業を運営していきたいと考えている事業者の方は、当事務所へご相談ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。
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※記事は公開日時点(2026年02月02日)の法律をもとに執筆しています


