テーマ別対応策 自身の犯罪歴が書き込まれた 投稿や記事を削除したい

逮捕されたという実名報道の記事がインターネット上に出回ると、さまざまな形で引用され、インターネット内に情報が残ることがあります。いずれかの時点で情報が消える場合もあるのですが、特に掲示板やまとめサイトに引用された情報は残り続ける可能性が高いことをご存じでしょうか。

インターネット上に掲載されてしまった逮捕歴などの情報を放置すると、以下のような不利益を受ける可能性があります。

  • なかなか就職や就学ができない
  • 住宅ローンなど銀行での審査が通りづらくなる
  • 賃貸住宅であっても入居審査が通りにくくなる

たとえ無実であったり不起訴になったりしたとしても、広まってしまった情報の修正は難しく、その後の人生に大きな影響を及ぼしかねません。
ベリーベスト法律事務所は、あなたの名誉を回復し、人生をやり直せるよう、インターネット上に掲載された逮捕歴などの実名報道を削除できるよう、削除専門チームの弁護士が一丸となって全力でサポートします。

例えばこんなことで悩んでいませんか?
  • 友人や知人に過去の前科を知られてしまうかもしれない
  • 過去の犯罪歴が残っていて就職活動に影響が出ている
  • 過去の逮捕歴があるけど不起訴になっている
  • 元となった記事は消えているのにコピーサイトやまとめサイトなどに情報が残っている

解決方法

 は、当事務所の弁護士がお手伝いできることです。

個人が管理をしているブログや、会社が管理をするサイトでメールアドレスを公開している場合、当該サイトの管理者に対して、直接削除依頼を行います。メールでの削除依頼を行うと比較的早期に対応してもらえることが多いですが、長期間放置されているサイトだったりすると、何の連絡もなく削除されないことも少なくありません。

メールアドレスがないサイトでも、削除を依頼するためのフォームが用意されている場合には、こちらを利用して削除依頼を行います。

メールにせよ、フォームにせよ、ある程度法的に整理した形で削除依頼を行った方が削除の判断をするサイトの管理者としても、どのような理由から削除を求めているのか理解しやすいですので、削除依頼の内容についても工夫が必要です。

サイト自体の管理者に直接連絡のとれるメールアドレスもなく、削除依頼のフォームも用意されていない場合、そのサイトのサーバー等(特定電気通信設備)を管理する者(多くは会社です)に対して、プロバイダ責任制限法を基に作成されたガイドラインに基づいて削除を依頼する方法があります。

この手続は、本人確認書類等の必要書類を用意する必要があり、メールやフォームによるものと比べると多少手間がかかりますが、サイト自体の管理者と直接連絡をとることができない場合に有効です。

[1]か[3]はいずれも任意による削除依頼です。任意での削除依頼に応じない場合には、管理者を相手どって裁判手続をとることとなります。その際、通常訴訟を提起してもいいのですが、最終的な結論(判決)が出るまでに長期間を要するため(平成30年度司法統計によると地方裁判所における平均審理期間は1年を超えています)、その間も記事が放置され続けることとなってしまいます。

そこで、仮処分を申し立てる手続を選択し、早急に求めている結果を実現できるよう手続を進めていく方法があります。これであれば、通常の訴訟よりも比較的早期に求める結論を得ることが可能になります。ただし、後述する最高裁決定の内容には注意が必要です。

特定の記事について拡散してしまうと、個別のサイト毎に削除依頼を行ってもきりがないことがままあります。そのような場合には、特定のワードで検索した結果の一部をその検索結果から除外することを求める方法があります。
ただし、注意をしなければならないのが、次の最高裁決定です。
【最高裁平成29年1月31日決定民集71巻1号63頁】

この事案は、過去に児童買春をしたとの罪で有罪判決を受けた人物が、逮捕された事実を報じた記事が複数のウェブサイト上に残っており、その人物の氏名で検索するとこの情報が検索結果として現れてしまうため、検索結果の削除を求めたものです。

これに対する裁判所の判断は、次のようなものでした。

個人のプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は、法的保護の対象となること、他方、検索結果の提供は検索事業者自身による表現行為という側面を有すること、検索事業者による検索結果の提供は、公衆が、インターネット上に情報を発信したり、インターネット上の膨大な量の情報の中から必要なものを入手したりすることを支援するものであること等を確認した上で、「検索事業者が、ある者に関する条件による検索の求めに応じ、その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL等情報を検索結果の一部として提供する行為が違法となるか否かは、当該事実の性質及び内容、当該URL等情報が提供されることによってその者のプライバシーに属する事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度、その者の社会的地位や影響力、上記記事等の目的や意義、上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化、上記記事等において当該事実を記載する必要性など、当該事実を公表されない法的利益と当該URL等情報を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断すべきもので、その結果、当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には、検索事業者に対し、当該URL等情報を検索結果から削除することを求めることができるものと解するのが相当である」としました。

その上で、過去に児童買春を行った事実はプライバシーに属するものですが、児童に対する性的搾取、性的虐待と位置付けられていること、社会的に強い非難の対象として罰則を持って禁止されていることから、公共の利害に関する事項であること、伝達範囲が限定されていることから、事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合とはいえないとしています。

上記最高裁の決定以降に出た裁判例を見てみると、上記最高裁の事案と同じく、性犯罪に関する逮捕歴・犯罪歴であったり、あるいは、特定の職業に関係する法令上の違反(医師が医師法上の違反をした事実など)であったりすると、過去の逮捕歴、犯罪歴の削除等を求めることが「事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」とはいえない、とされています。

他方、道路交通法違反などの逮捕歴、犯罪歴で、対象となる人物の職業との関係で密接な関係性を有するとまではいえないようなものであれば、「事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」であると判断されているものもあります。

このように、裁判手続を選択する場合には、最高裁の上記判断を基礎として、裁判所として削除するとの判断には至らない可能性もある一方、事案に応じて、削除に至る可能性もあります。

犯罪歴の書き込みに関して
ベリーベスト法律事務所が
お手伝いできること

任意交渉による削除請求 ガイドラインに基づく削除請求 削除請求の仮処分申立 削除請求訴訟

上記最高裁決定の判断枠組みは、上述のとおり、裁判手続上では必ず重視されるものですが、任意での削除依頼については、必ずしもそうではありません。当該記事を載せている側が、既に過去のものであり、ニュース性が低く、これ以上自身のインターネットサイト上に残しておく必要はない、と判断するのであれば、任意の交渉である程度は削除に至る可能性も十分あります。

とはいえ、サイト管理者が一切対応しなかったり、あまりに数が多かったりする場合には裁判所への申し立てを行う必要があります。そのような際、個人での対応では限界があるでしょう。

ベリーベスト事務所では、日々、削除等を求める事案に関する相談を受けております。上記のようなそれぞれの事情に応じて、名誉回復についての知見が豊富な削除チームに所属する弁護士による、適切なアドバイスや素早いサポートが可能です。

お役立ち情報

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