書き込み削除の方法 逆SEO等の技術的な削除対応

逆SEO等の技術的な削除対応

ネット上で風評被害を受けている場合の対応方法の一つに「逆SEO」があります。逆SEOとは、特定の検索ワードが含まれるサイトの検索順位を下げることや、検索をする際に選択肢として登場するサジェストワードのうち、検索されたくないサジェストワードを消す方法です。見られたくない記事を検索しにくくすることや、検索されたくないワード表示されないようにすることで、知られたい情報へのアクセスを困難にすることで風評被害を軽減するのです。

逆SEOの概要

そもそも逆SEOとは

逆SEOとは、多くの人に知ってほしい内容を検索されやすくする一般的なSEO対策とは反対に知ってほしくない内容を検索されにくくする方法です。誹謗中傷されている記事などのサイトやページの検索順位を下げることによって閲覧者を減らすことや、サジェストワードという特定の単語を検索するために入力した際に表示される関連する単語を表示されないようにすることで検索されにくくした結果、風評被害を軽減する仕組みです。

一般的に、悪意のあるサイトが問題になるのは、検索結果の上位に表示されていて多数の人に見られるためです。記事が残っているとしても検索結果の上位に表示されず、多くの人が表示する機会を減少させれば、結果的に被害は小さくなります。

サジェストワード、関連キーワードの消去について

特定のワードを検索画面に入力したときに自動で表示される「サジェストワード」や検索結果に表れる「関連キーワード」のうち、ネガティブなものを消去するのも「逆SEO」の1種であることは説明したとおりです。
たとえば、ある特定の会社名を入力し、サジェストワードや関連キーワードに「(会社名) 詐欺」「(会社名) ブラック」「(会社名) 怪しい」など、ネガティブな単語の表示が現れただけでも、サジェストワードや関連キーワードを見た人は「この企業(人)は詐欺なのかもしれない」などという悪いイメージを抱くことでしょう。
そこで、そういったワードを消去させることによって風評被害を防止します。GoogleやYahoo!などの大手検索サイトの場合、専用の「キーワード削除依頼フォーム」があるのでそちらからキーワード表示停止申請ができます。

逆SEOが有効なケース

逆SEOが特に有効なのは、記事そのものを削除できない場合や情報が拡散されて、全ての記事などを削除することが困難な場合です。
逆SEOの場合、検索されたくない記事と競合する記事を上げることによって相対的に検索順位を下げる方法もあるため、記事を削除する条件を満たしていないような場合でも対策できるメリットがあるのです。

逆SEOの手順

記事の検索順位を下げるための作業は専門技術が必要になります。一から技術を勉強するには時間や費用がかかりますから、専門の業者に依頼することも検討すると良いでしょう。

一方で、サジェストワードや関連キーワードの削除依頼であれば、GoogleやYahoo!の申請フォームに依頼するわけですから、自分で試してみることもできます。自分で試しても削除できなかった場合には、削除するノウハウを持った専門家を探すことも有効です。

逆SEOの注意点

被害が0になるわけではない

逆SEOでは、被害がゼロになるわけではないことに注意が必要です。「詐欺」などの名誉毀損(きそん)の記事の検索順位を落としても、その記事そのものは、この世から消えるわけではなく、検索順位の下位に位置する記事を読む人も存在するからです。実名検索されたり直接「〇〇社 詐欺」などと検索されたりしたときに、見られてしまう可能性は減少したとしてもゼロになるわけではないのです。

法的根拠が不十分でキーワードの削除申請が通らない場合がある

GoogleやYahoo!にサジェストワードの削除依頼をするときには、それぞれのガイドライン違反や権利侵害を指摘する必要があります。
削除するだけの法的な根拠が不十分な場合「権利侵害が認められない」としてキーワードの削除に応じてもらえない場合があります。

逆SEOはデメリットもありますが、大きなメリットがあるので、見られたくない記事に困っている場合などには検討してみると良いでしょう。どのような手法を取ればよいのかわからない場合や自分で対策してもうまくいかなかった場合などには、弁護士などの専門家に相談することも有効です。

逆SEOのメリット

逆SEOが成功すると、比較的早期に誹謗中傷の書き込みや口コミが表示されにくくなります。比較的早く効果が表れることも特徴です。「詐欺」「ブラック」などの風評被害を受けていて「すぐにでも解決したい」という場合には、メリットが大きいと言えるでしょう。

逆SEOのデメリット

完全に削除できるわけではない

先に説明した通り、逆SEOが成功して対象サイトの順位が落ちても「削除」されたわけではないので、実名検索などによって表示される可能性が残ります。

再発する可能性がある

一度順位を落としたりキーワードを削除したりしても、再度同一や類似の関連ワードが出現したり順位が回復するなど可能性があります。

非弁行為のリスク

サジェストワードの削除を弁護士ではない業者などに依頼する場合、法的知識が不足していて申請が通らない場合もありますし、そもそも業者が代理してGoogleなどに削除申請を出すことが「非弁行為」という違法行為になる可能性があります。違法行為になりやすい行為を業として請負う業者に依頼することはリスクのある行為といえるのではないでしょうか。

以上のように、逆SEOは完全な方法ではありません。誹謗中傷などに困っている場合に逆SEOを行うかどうかは慎重な検討が必要になります。

誹謗中傷などにお困りの場合、弁護士は記事の削除や逆SEOだけでなく、書き込んだ人を特定することも可能です。さらに、書き込んだ人や検索サイトなどに対して申請や交渉が失敗した場合には訴訟を依頼することもできます。

ベリーベスト法律事務所では、弁護士によるインターネット問題専門チームを作って対応していますので、ネット上での誹謗中傷問題にお困りであれば、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。

お役立ち情報

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