削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
インターネット上の掲示板やSNSの中には、素性を隠して意見を書き込むことのできる多種多様なサイトが用意されています。実名の公開を必須とした掲示板などは実のところあまり多くなく、表面的には匿名で投稿することができるケースがほとんどです。
匿名で投稿できることは、自由な発言をしやすいというメリットがありますが、その反面、特定の個人を誹謗中傷するような発言もなされ、さまざまなトラブルが生じていることも事実です。
インターネットにおける匿名掲示板として広く知られているのが「5ちゃんねる」です。その前身だった「2ちゃんねる」は、西村博之氏によって平成11年に開設された個人サイトでした。
それがスレッド形式となり、インターネットの普及と共に利用者も急増し、平成26年にはN.T.Technology社へと運営権限が移譲されたものの、別のサイトとして新たに「2ちゃんねる」が開設され、しばらくの間新旧の「2ちゃんねる」が併存していました。両者の争いを治めるため、旧2ちゃんねる側が「5ちゃんねる」へと改名し、運営法人もRace Queen, Inc.へ、さらには Loki Technology, Inc.と変更になっています。
5ちゃんねる最大の特徴は、カテゴリと呼ばれる分野ごとに設置された、スレッド方式の掲示板です。カテゴリ内には「板」と呼ばれるジャンルで分類されています。名前欄やメールアドレス欄はありますが、それらに書き込みをしなくても投稿が可能で、1000番まで投稿されると新たな投稿ができなくなります。
インターネット上の問題ある書き込みを考えるにあたっては、その書き込みが「刑法上の犯罪に該当するか」と、「削除対象となるか」を区別する必要があります。両者は多くの範囲で重なりますが、刑法上の犯罪とまではいえなくても削除対象となる書き込みはあるため、完全に一致するわけではありません。
ここでは、主に「削除対象となるか」という点から、書き込みの内容を検討します。
5ちゃんねるでは、法律とはまた別に削除体制が敷かれ、「削除判断基準」が示されています。匿名掲示板への書き込みは非常に多く、インターネット上の表現にも原則として自由が認められることから、運営者による自治がなされているのです。
削除判断基準によれば、削除がなされるのは法的保護に値する利益の侵害があった場合となっています。
「利益」の具体例としては、以下の4つが示されています。
したがって、これらの利益を侵害する書き込みに対しては、削除依頼ができるといえます。
5ちゃんねるに行われた書き込みを削除するには、管理権限が必要です。そのため特定の投稿を削除したい被害者としては、管理人に対して削除の要請を行い、対応を要求することとなります。
5ちゃんねるにおける削除依頼方法は、4つあります。
まず被害者本人がメールによって削除を要請することができます。メールアドレスは5ちゃんねるのサイト内で記載されているため確認しておきましょう。
削除要請の旨を件名とし、URL・レス番号・削除理由・理由の根拠となる資料(ある場合)・本人確認資料を添付します。
費用が掛からず手軽な方法ですが、確実に対応してもらえるかどうかはわかりません。
次に削除要請フォームから削除要請を送信する方法があります。5ちゃんねるの削除要請フォームもサイト内に設置されています。
メールを通じた削除依頼に対応してもらえなかった場合や、被害者本人ではない方が要請をする場合、こちらの手段を用いることとなります。その際には、5ちゃんねるの削除ガイドラインを、あらかじめ確認しておきましょう。
ただし、この方法は削除要請を行った事実が公開されます。知られたくないという方は要注意です。
以上の2つの方法でも削除してもらえなかった場合は、法的な手段を用いる必要があります。
5ちゃんねるには、「5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求」という削除対応項目が存在します。これについては、「表現の自由」への配慮のあるリーガルマインドを持ち合わせた弁護士からの請求であれば対応する、という意味であることが明記されています。したがって、5ちゃんねるに行われた投稿に対する削除対応経験が豊富な弁護士に対応を依頼したほうが、スムーズに削除してもらえる可能性が高まります。
費用は掛かりますが、個人情報の送付が不要であり、専門家である弁護士が請求を代行するため、被害者本人が自分で行う場合に比して削除される可能性が高いというメリットがあります。
上記の手段で削除が実現されない場合、インターネット上で情報が拡散して被害が拡大するのを防ぐため、問題の書き込みがプライバシー権など権利を侵害するものであると主張して、削除の仮処分命令の申立てを行う必要があるでしょう。仮処分とは裁判で勝ったときと同様の処分を暫定的に行ってもらうことです。
この場合、裁判で言う被告、すなわち相手方としては、上記で紹介した5ちゃんねるの運営会社になります。
削除の仮処分が認められるためには、保全される権利と保全の必要性がなければなりません。すなわち、自分の権利が侵害されていること、その権利を守るためには裁判による判決ではなく仮処分によらなければならない緊急の必要性があることが認められる必要があります。
手続の流れは、次のとおりです。
こちらも弁護士に依頼すれば手続きを対応してもらえます。弁護士にも得意分野などがあるため、5ちゃんねるに行われた投稿を削除した経験を持つ弁護士に依頼したほうが、早急に対応できる可能性が高いでしょう。
以上の方法の他に、Web検索で見かける削除業者へ依頼するという方法を考える方もいるかもしれません。しかし、プライバシー権その他の権利を侵害されたことによる書き込みの削除請求権は、法律上の権利に関する問題に該当します。
弁護士法第72条において、弁護士以外の者が報酬目的で法律事件に関する法律事務を取り扱ってはならないと定められています。この条文に違反する行為は「非弁行為」と呼ばれ、取り締まりの対象となります。
したがって、あなた個人の問題である削除依頼を、報酬の支払いを約束して弁護士以外の者に代行してもらうことは、違法性が高い行為であるといえます。不法行為を公然と行う業者にあなたの個人情報を渡して依頼することは、危険が伴う可能性があります。金銭の支払いをしても対応してもらえなかったり、思ったような効果が得られなかったりすることもあるでしょう。
5ちゃんねるに誹謗中傷などが書き込まれた場合、不安や焦りを感じることは理解できます。それでも無資格の削除業者へ頼るのではなく、きちんとした弁護士に対処を依頼するほうが迅速かつ確実です。
また、5ちゃんねるに誹謗中傷の投稿をした人物を、裁判手続きなどを経て特定したうえで損害賠償請求などの対応ができるのは、弁護士しかいません。損害賠償請求ができるかどうかも含め、回答できますので、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
インターネット上の情報は、一度書き込まれてしまうとポジティブなものもネガティブなものもすさまじい速度で拡散してしまう可能性があります。一度拡散してしまえば、取り返しのつかないことになりかねません。不特定多数の目に個人情報がさらされることによって、思わぬ被害を受けることもあります。
5ちゃんねるなどの匿名掲示板に悪評を書き込まれ、直ちに削除してもらいたいと思っている場合は、速やかにベリーベスト法律事務所へご相談ください。迅速かつ確実に削除依頼を行い、不適切な書き込みを消してもらえるようサポートします。同時に、相手方を特定して損害賠償請求をする際も対応可能です。一人で悩まず、まずはお問い合わせください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。ぜひ、お気軽にご相談ください。
※記事は公開日時点(2021年07月20日)の法律をもとに執筆しています