削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
「爆サイ」と呼ばれることが多い「爆サイ.com」は、令和3年3月時点で総投稿数が7億件を超えている超大型の掲示板サイトです。
掲示板サイトと言えば、パイオニア的な存在である「2ちゃんねる(現在では5ちゃんねる)」が有名ですが、爆サイも同様に匿名で自由に書き込みができます。
爆サイの特徴的な点は、地域に特化していることでしょう。大都市に限らず地方の都市ごとにページが整理されているため、地域のさまざまな情報交換やコミュニティーづくりに役立っています。
カテゴリの分類も、グルメやショッピングなどのお役立ち情報から、水商売や性風俗などのアンダーグラウンドな情報まで、幅広いニーズに応える情報が掲載されています。
爆サイは、ほかの掲示板サイトと比較すると地域性が高く、ローカルニュースに関する話題が取り上げられやすい傾向があります。
そのため、近隣住人や職場の人間関係、病院など医療施設や店舗に対する不満などが投稿されるなど、特定の個人に関する話題にコメントが集中する「炎上」が起こりやすくなっています。
また、爆サイには「お水(水商売)」「風俗」「不倫」といったカテゴリが存在するため、書き込みの標的になってしまった当事者にとっては、不都合な内容が拡散されてしまうことがあります。
特に、キャバクラやスナックなどの水商売に関するスレッドでは、色恋に溺れた客が根も葉もないような誹謗中傷を書き込む、ストーカーまがいの行為によって得たプライベートな情報を漏えいするといったトラブルが目立っています。
水商売や風俗業の従業員女性がターゲットになってしまうと、次のようなトラブルが引き起こる恐れがあります。
地域に特化し、ローカルな話題で盛り上がることができる反面、身近なスキャンダル情報がまん延しているため、爆サイを危険視する人が多いのも事実です。
爆サイにおける誹謗中傷は、スキャンダラスな情報であればあるほどユーザーの興味を引きつけてしまうことと、地域に特化しているという爆サイの特徴とが相まって、非常に拡散性が高くなっています。爆サイにおける誹謗中傷がほかのウェブサイトやSNSで拡散されてしまえば、事態の収拾はほぼ不可能とも言えるでしょう。
爆サイの運用では、削除依頼を受け付けてから実際に削除されるまでの時間は「72時間以内」とされています。つまり、削除までに3日間かかることがあり、その間も誹謗中傷のコメントは多くの人の目にさらされることになります。もし、爆サイに誹謗中傷のコメントが書き込まれたことが分かれば、早急に削除依頼を要請することが大切です。
爆サイの誹謗中傷を削除するには、 各スレッドおよびレスが表示されている画面の最下部にある「削除依頼フォーム」から要請します。専用フォームに、次の各事項を入力する必要があります。
名前以外の項目は全て必須項目のため、省略することはできません。
爆サイに誹謗中傷を書き込まれた場合は削除依頼を要請することになりますが、いくつかの注意点があります。
まず、必ずしも削除されるわけではないことを理解しておきましょう。
爆サイでは、利用規約を設けており、「第3条禁止事項」では、掲示板の利用ルールも定められています。たとえば、他人の名誉や社会的信用を侵す内容、住所や氏名といった個人情報、犯罪予告など他人への危害を予告する内容などは、確認されしだい運営側で削除や編集の対応をとるようです。あわせて、投稿内容によっては投稿者のアクセスを拒否するといった処置をとる可能性があると、明記しています。
そのため、「あの店の◯◯さんは好みじゃない」「診療予約ができない、待ち時間が長い」などのコメントは、単なる評判や評価と判断されて、本人からの要請がない限り削除の対象になりにくいでしょう。たとえ削除依頼を出したとしても、削除するか否かは運営側が判断することになります。
また、削除されるのは基本的に「コメント(レス)ごと」になることも、理解しておかなければいけないポイントです。爆サイは、ひとつのスレッド(題材)に対して、さまざまな人からコメントが書き込まれます。自分への誹謗中傷を書き込んでいるコメントを特定した上で、削除要請をする必要があるのです。そのため、誹謗中傷が複数のコメントにわたっている場合は、ひとつひとつに対して削除要請をする必要があります。スレッドごとの削除依頼も受け付けてはいるようですが、下記の情報が必要とされています。
「できる限り法的観点で」と書かれているように、コメントの削除依頼よりも依頼するハードルは高くなります。法的観点を持って削除してほしい理由を説明するのは、個人だと難しいものです。スレッド自体に誹謗中傷が広まってしまっている場合は、まずは弁護士への相談することをおすすめします。
そして、いくら早く削除したくても、連続で削除依頼を要請することは避けましょう。爆サイでは削除依頼の注意事項として、同じ内容の削除依頼を72時間以内に複数回行うことや、威圧的な削除依頼に関しては業務妨害と判断すると明記しています。営業妨害と判断されると、依頼者自身が禁止リストに登録されてしまうだけでなく、肝心の削除依頼が受領(じゅりょう)されない恐れがあります。
爆サイで自分の誹謗中傷が書かれていることが分かったら、早く削除したいと思うあまり冷静な判断を失ってしまうかもしれません。インターネットで「爆サイ 削除依頼」と検索すると、削除代行をうたった広告が表示されることがあります。
広告主の多くは、通称「削除業者」や「削除屋」と呼ばれる代行業者です。しかし、弁護士法に違反している業者である可能性が高いので、注意が必要です。
本来、爆サイのコメント削除依頼の手続きは、問題のコメントの当事者本人しかできません。これを当事者本人に代わって手続きをするには、弁護士資格を有している必要があります。
もし、弁護士資格を持たない業者や個人が報酬を受けて削除依頼を代行した場合は、弁護士法において禁止されている「非弁行為」に該当し処罰の対象となります。
さらに問題なのは、高額の金額を請求されるなどといった別のトラブルに巻き込まれる危険性もあることです。爆サイにおける誹謗中傷コメントの削除依頼を代行してもらう場合は、必ず弁護士に依頼しましょう。
爆サイには、削除依頼に関するガイドラインが設けられています。しかし実際のところ、書かれている内容は理解できても、「どういったケースが該当するのか」を深く読み解き、説明するのは難しいでしょう。
弁護士であれば、なぜこのコメントがガイドラインに抵触するのかを法的観点で説明することができます。爆サイ運営側の納得を得やすい適切な削除請求を出すことができるので、個人で対応するよりもスピーディーな削除が期待できます。
また、爆サイには、個人の方が使用できる削除依頼フォームのほかに、弁護士が依頼する場合のみ使用できる専用の削除依頼フォームが用意されています。依頼を受けた弁護士が、爆サイに対して直接削除を依頼できるため、個人で依頼するときよりもスムーズに削除してもらえる可能性が高いと言えます。
急いで削除してほしいときこそ、弁護士に依頼したほうがいい理由のひとつとなるでしょう。
また、個人で対応しているとき、いくら削除請求を出しても削除に応じてもらえない場合は、手詰まりになってしまいます。しかし弁護士に依頼していれば、「仮処分」を検討できるのもメリットでしょう。
仮処分とは、起きている権利侵害に対して本訴訟を待たずに侵害状態を解消するという、裁判所による措置のひとつです。つまり、裁判を待たずして、裁判に勝訴したときと同じ結果を得られる可能性があります。投稿を削除する仮処分命令が出ると、基本的には爆サイ運営側は裁判所の決定に従わざるを得ないため、問題のコメントは削除されます。
なお、個人でも仮処分手続を利用することは可能です。もっとも、法的に主張を整理しなければならないなど、慣れていない方には負担が大きいので、現実的には弁護士に依頼するのがよいでしょう。
一度削除されても、何度も誹謗中傷をコメントするといった場合や、コメントによって私生活において実害を被った場合などは、書き込んだ当事者を特定することも考えなければいけません。そういったケースでは、プロバイダ責任制限法に基づき「発信者情報開示請求」を行います。
請求が受理されると、個人情報を特定するための情報を開示してもらうことができます。
発信者情報開示請求は個人で申請することもできますが、プライバシー保護の観点から個人で申請しても開示されないケースが少なくありません。しかし、弁護士が法的根拠に基づき請求することで、開示される可能性も高くなります。
当事者が判明すれば、名誉毀損(きそん)罪などの追求も検討することができます。ただし、プロバイダの記録は、3か月から6か月程度しか保存されないので、お早めにご相談ください。
爆サイは全国のローカル情報がカテゴリ別に整理されているため、ユーザーにとってはコミュニティーの場となっています。しかし、話題が身近であればこそ、誹謗中傷やプライベートな情報が拡散されてしまった場合に、私生活にも影響がでてくることも考えられます。そのため、一刻も早く確実に削除してもらうための手続きをとることが大切です。
ベリーベスト法律事務所では、インターネット掲示板における誹謗中傷や個人情報の漏えいトラブルに関するお悩みを解決するために、全力で対応します。爆サイに誹謗中傷や個人情報を書き込まれて対応に困っているときは、お気軽にご一報ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。ぜひ、お気軽にご相談ください。
※記事は公開日時点(2022年06月16日)の法律をもとに執筆しています