弁護士コラム

この記事の
監修者
萩原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
  • 誹謗中傷・風評被害
    個人
    2022年01月27日更新
    アメブロに誹謗中傷の記事が掲載されていた! 削除依頼の方法とは?

    アメブロに誹謗中傷の記事が掲載されていた! 削除依頼の方法とは?

    人気ブログサイトであるアメブロ(アメーバブログ)には、連日多くのブログ記事やコメントが投稿されています。その中には、残念ながら誹謗中傷的な内容が一定数含まれていることも事実です。

    もし、投稿の中で自分や会社が誹謗中傷されているのを発見した場合、風評被害が広がる前に速やかに削除依頼などの対応を取る必要があります。

    この記事では、アメブロに誹謗中傷の記事が掲載されていた場合の削除依頼の方法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
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1、アメブロ(アメーバブログ)とは

アメブロ(アメーバブログ)は、国内最大手のブログサイトです。
運営元であるサイバーエージェント社のプレスリリースによると、2019年8月5日時点で、アメブロの累計記事投稿数は25億件超とのことです。

(参考:サイバーエージェント社プレスリリース)

  1. (1)有名人も多数ブログを開設

    アメブロは、芸能人やスポーツ選手など、多くの有名人がブログを開設していることでも知られています。
    人気がある有名人のブログ記事には、連日数多くのコメントが寄せられています。

  2. (2)登録無料・操作も簡単|ブログ初心者にも人気

    また、アメブロは誰でも無料で登録することができます。
    さらに登録した直後から、簡単な操作によって気軽にブログ記事を投稿できるため、ブログ初心者がブログデビューをする際にも広く利用されています。

  3. (3)お手軽な反面、誹謗中傷的なブログ記事・コメントも存在する

    このようにアメブロは、間口が非常に広く開かれている便利なサイトといえるでしょう。
    しかし、だれでも気軽に利用・投稿できるという反面、残念ながら、誹謗中傷的な内容のブログ記事やコメントが一部に見られることも事実です。

    自分や経営する会社について誹謗中傷する内容の記事を発見した場合には、迅速に対応する必要があります。

2、アメブロにおいて禁止される誹謗中傷とは? 利用規約に基づく削除基準

アメブロでは、他人を誹謗中傷するような内容の投稿などを行うことを、利用規約においてユーザーの禁止行為として定めています(Ameba利用規約第13条第1項)

誹謗中傷の投稿を行ってはならないことは、自分のブログ上の記事であっても、他人のブログに対するコメントであっても同様です。

具体的には、以下のような内容の投稿が誹謗中傷として削除の対象になり得ます。

  1. (1)他人をバカにする侮辱的な書き込み

    • 「バカ」
    • 「気持ち悪い」

    など、相手をバカにする侮辱的な内容の投稿。

  2. (2)事実を摘示して他人を中傷する名誉毀損的な書き込み

    • 「不倫をした人間のクズ」
    • 「新入社員が全員辞めたブラック企業」

    など、事実を摘示(あばき示す)して他人(他社)を中傷する名誉毀損的な投稿

    なお、摘示された内容が真実であったとしても、投稿が公共の利害に関する事実に関係し、かつ投稿の目的が専ら公益を図ることにあったと認められる場合を除いて、利用規約違反に該当するものと考えられます(刑法第230条の2第1項参照)。

  3. (3)人種・性別・身体的特徴などによる差別的な書き込み

    • 「中国の血が入っているやつは信用できない」
    • 「女は黙って家事だけしていればいい」
    • 「あんなチビと結婚する気が知れない」

    など、人種・性別・身体的特徴などを理由とする差別的な投稿

  4. (4)他人のプライバシーを侵害する内容の書き込み

    • 「芸能人の〇〇は△△に住んでいる」
    • 「〇社の社長はよく△△という店に出入りしている」

    など、正当な理由なく他人のプライバシーを侵害する内容の書き込み

3、誹謗中傷記事・コメントの削除依頼をするには?

誹謗中傷的な内容のブログ記事やコメントを発見した場合、風評被害が広がらないうちに、速やかに削除依頼などの対応を取る必要があります。

誹謗中傷記事・コメントの削除依頼をする方法には、大きく分けて以下の三つの方法があります。

  1. (1)投稿者に直接削除依頼をする

    一つ目は投稿者に対して直接、投稿内容の削除を求める方法です。

    投稿によって自分がどれほど困っているか、および削除に応じない場合には法的措置を取らざるを得ないことなどをメッセージで訴えましょう。
    そうすれば投稿者も事態の重大さに気づき、自発的な削除に応じる可能性があります。

    投稿者への直接の削除依頼は、成功すればもっとも迅速に投稿の削除を実現できます。

  2. (2)運営会社であるサイバーエージェント社に削除依頼をする

    投稿者が削除に応じない場合には、アメブロの運営会社であるサイバーエージェント社に削除依頼をしましょう。
    削除依頼は、以下の権利者向け窓口のページで必要事項を入力して行います。

    (参考:Ameba 権利者向け窓口

    削除依頼の際には、投稿の内容を具体的に特定したうえで、自分のどのような権利がどの程度侵害されているのかを具体的に説明することが大切です。
    また、利用規約の条文を引用して、利用規約上のどの規定に違反していると考えるかを具体的に指摘することも有効でしょう。

  3. (3)裁判所に対して投稿削除の仮処分を申し立てる

    サイバーエージェント社に対する削除依頼を行ったとしても、投稿内容の審査に時間がかかったり、そもそも削除が認められなかったりするケースが後を絶ちません。

    そこで並行して、裁判所に対する投稿削除の仮処分申し立て(民事保全法23条2項)を行うことをおすすめします。

    投稿削除の仮処分を得るためには、被害者が、自らに著しい損害または急迫の危険が生じるおそれがあることを、裁判所に対して疎明する必要があります。
    疎明に成功した場合、裁判所からサイト管理者のサイバーエージェント社に対して、投稿削除の仮処分命令が言い渡されます。

    仮処分の手続きを取る方法については弁護士が詳しいので、詳細は弁護士にお尋ねください。

4、誹謗中傷した加害者を特定して訴えたい場合には?

仮に投稿の削除が認められたとしても、被害者が被った風評被害や精神的損害がすべて回復するわけではありません。
被害者としては、誹謗中傷の投稿を行った加害者に対して、損害賠償を請求したいところです。

投稿の内容が名誉毀損・侮辱・肖像権侵害・プライバシー侵害などの違法行為に該当する場合、被害者は投稿者(加害者)に対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。
アメブロの投稿は匿名ベースで行われる場合も多いですが、その場合にも法的手段を駆使することによって、投稿者を特定することが可能な場合があります。

以下では、投稿者を特定したうえで損害賠償請求をするまでの流れについて解説します。

  1. (1)加害者を特定するまでの流れについて

    投稿者を特定するには、まずアメブロの運営会社であるサイバーエージェント社に対して、プロバイダ責任制限法第4条第1項に基づく発信者情報開示請求を行います。

    投稿者がアメブロに登録する際、サイバーエージェント社は投稿者の個人情報を収集しますので、その個人情報を発信者情報開示請求の対象とします。
    サイバーエージェント社から、投稿者の個人情報の開示を受けることができれば、投稿者を特定することが可能です。

    万が一、アメブロへの登録が匿名・偽名などで行われていた場合には、投稿に利用されたデバイスに付されたIPアドレスの開示を請求します。

    もっとも、サイバーエージェント者が投稿者の個人情報やIPアドレスを任意に開示しない場合は、裁判所に対する発信者情報開示の仮処分申し立てを行うことになります。

    IPアドレスが判明すれば、インターネット回線を提供するプロバイダに対してさらに発信者情報開示請求を行うことにより、投稿者の個人情報を獲得することが可能です。

    もっとも、多くの場合、プロバイダは投稿者の個人情報を任意に開示しませんので、裁判所に対する発信者情報開示請求訴訟を提起する必要があります。

  2. (2)加害者を特定した後の流れについて

    投稿者が特定できたら、投稿者の住所宛てに内容証明郵便を送付するなどして、損害賠償に関する示談交渉を開始します。

    投稿者が任意に示談に応じれば、示談の内容に基づき、被害者は投稿者から損害賠償金を受け取ることが可能です。

    投稿者が示談に応じない場合には、投稿者に対して不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起します。
    訴訟では、投稿の違法性や被害者が受けた損害について、証拠に基づいて立証する必要があります。

    内容証明郵便の送付や、損害賠償請求訴訟の提起については、専門的な手続きとなりますので、弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。

5、まとめ

多くの利用者数を抱えるアメブロにおいて、誹謗中傷が投稿された場合には、被害者が受ける風評被害や精神的損害は甚大なものになってしまうおそれがあります。
自分に対する誹謗中傷の投稿を発見した場合、この記事を参考にして、取るべき手段を冷静に講じましょう。

しかし、誹謗中傷の投稿が拡散してしまった場合、一般の方が正確に対応することは困難と思われます。
削除依頼や損害賠償請求については、実績と経験が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。ぜひ、お気軽にご相談ください。

※記事は公開日時点(2022年01月27日)の法律をもとに執筆しています

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