弁護士コラム

この記事の
監修者
萩原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
  • 誹謗中傷・風評被害
    法人
    2025年06月16日更新
    一休.comの口コミは削除可能? 悪質な投稿が掲載されたらすべきこと

    一休.comの口コミは削除可能? 悪質な投稿が掲載されたらすべきこと

    一休.comは、ホテルや旅館、レストランなどの予約サービスを提供しています。当該サイトやアプリでは、施設を利用した方が口コミや画像を投稿可能です。そのため、高評価の口コミが増えれば、売り上げアップにつながるなどのメリットがあります。

    しかし、悪質な口コミや、不適切な画像が投稿されてしまった際は、施設の評判が落ちるなどの不利益が生じるおそれがあります。そのため、悪質な口コミ・画像を見つけたときは、すぐに削除することが重要です。

    今回は、一休.comに悪質な口コミが投稿された場合に、口コミを削除できる条件や削除依頼の流れ、削除の交渉が難航した場合の対処方法などをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
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1、一休.comに悪質な口コミ・画像を投稿された! 削除はできる?

悪質な口コミや画像が投稿されると、風評被害につながるおそれがあるため、削除を検討している方も多いはずです。悪質な口コミを削除できるかどうか、詳しく紹介します。

  1. (1)悪質な口コミ・画像は運営側に削除申請することで削除可能

    一休.comに投稿された悪質な口コミ・画像は、削除できる可能性があります。
    ただし、基本的には運営に連絡をして削除を行うという流れになります。対象となるホテルや旅館、レストランなどの事業者が自ら削除することはできません

    悪質な口コミを放置していると、風評被害により予約者や利用客が減る事態にもなるため、迅速に削除請求を行うようにしてください。

  2. (2)削除の対象となるのは「クチコミ利用規約」に違反する口コミ

    一休.comに投稿された悪質な口コミや画像の削除請求は可能ですが、無条件で削除してもらえるわけではありません。運営側は、「クチコミ利用規約」の第4条に違反していると判断された場合に、削除を検討する可能性があります。
    クチコミ利用規約で禁止されているのは、以下のような投稿です。

    • 従業員のプライバシー情報を公開する口コミ
    • 従業員に対するうわさ、デマなどを含む口コミ
    • 営利目的、商業目的の口コミ
    • 実際に提供されていないサービスに関する口コミ
    • 従業員を誹謗中傷する口コミ
    • 明らかに事実に反する内容の口コミ
    • 人物が写りこんでいる画像


    運営側へ削除請求をする前に、まずは「クチコミ利用規約」を確認し、問題となっている投稿が、利用規約のどの部分に違反しているのかを確認するようにしてください。

2、一休.comの口コミを削除してもらう方法と注意点

クチコミ利用規約に反する悪質な口コミが投稿された際は、運営への削除請求が必要です。ここからは、どのような手順で削除依頼をすればよいかの具体的な流れや削除依頼文の書き方、注意点について紹介します。

  1. (1)一休.comの口コミを削除してもらう流れ

    投稿された口コミが「クチコミ利用規約」に違反している場合、以下の流れで当該口コミの削除請求を行います。

    • 一休.comのホームページにアクセス
    • トップページ下部の「ヘルプ/問い合わせ」をクリック
    • 「一休.comに関するお問い合わせ」のページが表示されたら、「その他」をクリック
    • 「その他のお問い合わせ」というメニューが表示されるので、「クチコミ」をクリック
    • 表示されたページにある「クチコミを投稿/確認/削除したい」をクリック
    • 表示されたページ下部の「問い合わせる」をクリック
    • 表示されたページの「メール」をクリック
    • 一休.comの会員であれば「ログイン」を、会員でなければ「ログインしないで問い合わせする」をクリック
    • 口コミ専用の問い合わせフォームが表示されるので必要事項を記載して送信


    なお、口コミの削除請求をするには、問い合わせフォームの「ご質問内容」の欄に削除依頼文を記載します。具体的な記載内容は、以下の例を参考にしてみてください。

    お世話になっております。
    〇〇(法人・団体など)の〇〇と申します。
    この度は問題のある口コミの削除依頼をしたく、ご連絡申し上げました。

    【問題の口コミ】
    ・ホテル、旅館、レストラン名:○○
    ・ホテル、旅館、レストランの情報が掲載されているページのURL:○○
    ・投稿者名:○○
    ・問題の口コミの投稿日:○年○月○日
    ・問題の投稿:(該当の投稿全文をコピー&ペースト)

    上記の投稿は、一休.comのクチコミ利用規約第4条の〇〇(該当する削除基準)に該当し、削除基準を満たしています。
    また、上記投稿のうち「〇〇(個人を特定した誹謗中傷の表現・内容)」は、〇〇の名誉を傷つける誹謗中傷であり、「名誉毀損」に該当する可能性があります。

    上記投稿は、○○(法人・団体)のイメージや信用に悪影響を及ぼすものですので、早急に口コミを削除していただきますようお願いいたします。
  2. (2)一休.comの口コミを削除してもらう際の注意点

    一休.comの口コミを削除してもらう際には、以下の点に注意が必要です。

    ① 内容によっては運営から返答が来ない可能性がある
    一休.comの公式サイトには、問い合わせから返答までの期間の目安は記載されていません。また、内容によっては運営から返答が来ない可能性もあります。
    2週間程度待っても返答がないようであれば、法的な削除請求を検討しても良いかもしれません

    ② 返答があっても、真摯(しんし)な内容ではない可能性がある
    一休.comに掲載されている投稿は、運営側が事前にチェックしているため、削除依頼をしても口コミの削除に応じてもらえないケースもあります。
    削除に応じてもらえない場合は、運営から返答があったとしても、真摯な内容ではない可能性があります。


    なお、万が一、運営に対する削除依頼が難航した場合は、裁判所への削除請求(仮処分命令)の申し立てを検討してみてください。法的対応については、次章で紹介しています。

3、裁判所に削除の仮処分を申し立てる場合の流れ

運営が削除依頼に応じてくれないときは、裁判所への削除仮処分の申し立てを検討しましょう。

  1. (1)削除の仮処分申し立ての流れ

    削除の仮処分とは、悪質な口コミなどが投稿された場合に、裁判所の仮処分という手続きにより、問題の投稿の削除を実現する方法です。仮処分は、通常の裁判と比べると迅速に結論が出るのが特徴です。
    削除仮処分の申し立ては、以下のような流れで行います。仮処分の手続きは非常に複雑なため、迅速かつ適切に対応するためにも、専門家である弁護士に依頼するのがおすすめです。

    ① 投稿記事削除の仮処分命令の申し立て
    裁判所に投稿記事削除の仮処分命令の申し立てを行います。
    裁判所に提出する申立書には、被保全権利(民事保全法において守られるべき権利)と保全の必要性を具体的に主張し、主張を裏付ける疎明資料の提出が必要です。疎明資料とは、請求の事由などが記載された資料を指します。

    ② 審尋
    申し立てが受理されると審尋期日が定められます。
    審尋は、裁判官が相手方の言い分などの確認を行います。

    ③ 立担保
    裁判所が申し立てに理由があると認めると、申立人に担保金を供託するよう命じます。
    削除仮処分での担保金の一般的な相場は30~50万円で、一定の手続きにより還付を受けることができます。

    ④ 仮処分命令の発令
    担保金を供託することで、裁判所から投稿記事削除の仮処分命令が発令されます。
    仮処分命令が発令されると、サイト運営者側は任意に削除に応じてくれるケースが多いです。そのため、より時間のかかる正式な裁判をすることなく、悪質な口コミや画像を削除できる可能性が高いと言えます。

    ⑤ 執行
    仮処分命令が発令されたものの、運営側が削除に応じないこともあるかもしれません。その場合は、裁判所に執行の申し立てをすることで、相手が削除をするまで裁判所が命じた金額を支払わせることが可能です。
  2. (2)口コミ投稿者の損害賠償請求・刑事告訴には、発信者情報開示請求が必要

    悪質な口コミを削除できても、すでに生じた被害については、削除請求では回復できません。すでに生じた被害の損害賠償は、口コミ投稿者に請求していくことになりますそのために、投稿者の住所や氏名などを特定する「発信者情報開示請求」を行います

    発信者情報開示請求の流れ
    • ① 口コミが投稿されたサイトに、裁判所を通してIPアドレスの開示請求を行う(投稿時に使われた回線を特定する)
    • ② 開示されたIPアドレスからプロバイダ(インターネット事業者)を特定する
    • ③ 特定したプロバイダに、裁判所を通して発信者情報の開示請求を行う
    • ④ 裁判所が発信者情報の開示を認める
    • ⑤ 発信者情報を開示し、投稿者を特定する


    口コミをした相手を特定できれば、その方に対して損害賠償請求が可能になり、悪質な投稿であれば刑事告訴も可能です。

4、悪質な口コミの削除請求を弁護士に相談するメリット

一休.comに悪質な口コミが投稿されたときは、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)弁護士が対応することで削除依頼がスムーズに進む可能性がある

    一休.comに対する削除依頼は、専用の問い合わせフォームから行います。しかし、記載内容によっては運営から返答をもらえないケースや、誠実な対応をしてもらえないケースもあるかもしれません。

    弁護士が代理人として運営側に削除依頼をすれば、態度が変わり誠実に対応してもらえる可能性があります。また、弁護士であれば、口コミによる権利侵害があったことを法的根拠に基づいて説得可能です。そのため、利用規約の解釈などで何度も運営側とやり取りする必要がなくなり、早期の口コミ削除が期待できます。

  2. (2)弁護士に任せることで交渉によるストレスから解放される

    弁護士に依頼すれば、弁護士が代わりに運営側と交渉するため、悪質な口コミについて交渉し続ける精神的ストレスから解放されます。
    また、不慣れな削除依頼の手続きに時間や手間を割く必要がなくなるため、本来の業務に専念可能です。

  3. (3)法的手段により口コミの削除や損害賠償請求が可能

    運営側が口コミの削除に応じてくれないときは、裁判所の仮処分の申し立てを検討する必要があります。また、投稿者に対して損害賠償請求や刑事告訴をするのであれば、投稿者を特定するために、発信者情報開示請求などの手続きが必要です。
    このような法的手続きは、一般の方では対応が難しいため、専門家である弁護士に任せることをおすすめします。

5、まとめ

一休.comに掲載された悪質な口コミは、利用規約に違反する内容であれば、削除に応じてもらえる可能性があります。規約違反の疑いがあるにもかかわらず、口コミを削除してもらえない場合は、弁護士が対応することで運営側の対応が変わることもありますお困りの際は、弁護士へ相談しましょう
一休.comに悪質な口コミが投稿されたときは、すぐにベリーベスト法律事務所までご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。
誹謗中傷や風評被害などのインターネットトラブルでお困りの際は、お電話やメールにてお問い合わせください。

※記事は公開日時点(2025年06月16日)の法律をもとに執筆しています

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