開示請求・口コミ削除
SNSでの誹謗中傷、炎上、風評被害など
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弁護士コラム

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SNSや掲示板での誹謗中傷やデマ投稿は、企業や個人の信用を傷つける深刻な問題です。このような被害から利用者を守るために一部改正され、通称が改められたのが「情報流通プラットフォーム対処法」です。同法は、「プロバイダ責任制限法」を一部改正により大規模プラットフォームへの新たな義務付け等を行った改正をした法律で、現代のネット環境に即した被害者救済の仕組みを新たに整えたものです。
本章では、この法律の基本的な位置づけや目的をわかりやすく説明します。
インターネット上の誹謗中傷や違法情報を削除できる仕組みは、もともと「プロバイダ責任制限法」という法律に定められていました。当時は、主に掲示板やホームページが想定されており、SNSはまだ一般的ではありませんでした。そのため、X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなど、数千万人規模が利用するサービスに対応しきれない面があったのです。
この課題を解消するため、プロバイダ責任制限法は、「情報流通プラットフォーム対処法」として改正されました。単なる名前の変更ではなく、被害者を守るためのルールを現代の環境に合わせて整えたのが特徴です。
参考先:「情報流通プラットフォーム対処法」(e-Gov)
プロバイダ責任制限法は、当時の掲示板や個人ホームページを前提としていました。しかし、X(旧Twitter)、Instagram、YouTube、口コミサイトなど、数千万人が利用する巨大なプラットフォームが発達し、従来の法律ではスピード感を持った救済が困難になっていました。このようなインターネット環境の変化に対応するというのが法改正の背景の1つです。
また、旧法の「責任制限」という名前は「運営者の責任を免除するための法律」と誤解されやすく、被害者救済の趣旨が伝わりにくいという問題もありました。そこで、より広い対象を明示し、利用者保護を前面に押し出すために一部の法改正が行われたのです。
改正によって「大規模特定プラットフォーム」に対する責任強化が特に重視されました。
数千万人規模が利用するSNSや動画サービスのうち、一定の基準を満たす大規模特定プラットフォーム事業者は、情報の拡散力が非常に大きいため、事業者側に以下の義務が課されています。
これにより、誹謗中傷被害を受けても「申し立てをしたのに放置される」といったケースが減少することが期待されています。
なお、令和7年9月現在、大規模特定電気通信役務提供者として指定されているプラットフォーム事業者とサービスは以下のとおりです。
| 大規模特定電気通信役務提供者 | (参考)サービス名 |
|---|---|
| Google LLC | YouTube |
| LINEヤフー株式会社 | Yahoo!“知恵袋、Yahoo!ファイナンス、LINEオープンチャット、LINE VOOM |
| Meta Platforms, Inc. | Facebook、Instagram、Threads |
| TikTok Pte. Ltd. | TikTok、TikTok Lite |
| X Corp. | X |
| 株式会社ドワンゴ | ニコニコ(特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律施行規則(令和4年総務省令第39号)第8条第6項各号に定めるものを除く。) |
| 株式会社サイバーエージェント | Amebaブログ |
| 株式会社湘南西武ホーム | 爆サイ.com |
| Pinterest Europe Limited |
情報流通プラットフォーム対処法の施行により、被害者が誹謗中傷の削除や投稿者の特定を求める際の手続きが大幅に強化されました。従来は削除請求をしても長期間放置されることや投稿者の特定に時間と費用がかかることが課題でしたが、現在はスピードと透明性が改善されています。
本章では、具体的にどのような救済手段が整備されたのかを紹介します。
改正後の大きなポイントの1つが「削除請求への迅速な対応義務」です。
被害者や代理人(弁護士など)が誹謗中傷や違法な書き込みに対して削除を求めた場合、大規模特定電気通信役務提供者は、申出日から14日以内の総務省令で定める期間内、すなわち原則7日以内に、その判断結果を申出者に通知しなければなりません(ただし、やむを得ない事情がある場合は延長が認められる場合があります)。
従来は「申し立てをしても返事がない」「削除されるまで数か月かかった」といった事例が多く見られました。しかし改正後は、事業者に明確な期限が課されているため、被害者は以前よりも早く救済を受けられるようになっています。
もう1つの重要なポイントが「発信者情報開示の手続き」です。
以前は、加害者を特定するために2回の裁判手続きが必要など非常に煩雑でしたが、法改正により、一体化した新しい開示制度(発信者情報開示命令)が導入されています。
今回の「情報流通プラットフォーム対処法」による削除対応の強化に加え、すでに運用されている迅速な開示手続きを組み合わせることで、被害者は「削除」と「特定(損害賠償)」の両面において、従来よりもスピーディな救済を受けられる環境が整いました。
これにより、誹謗中傷の投稿者に対して、損害賠償請求や刑事告訴を行いやすくなり、泣き寝入りする被害者が減ることが期待されています。
SNSや掲示板で誹謗中傷の投稿を見つけたときは、正しい手順を踏まえて行動することが大切です。
焦って証拠を残さずに削除してしまうと、後に発信者情報開示や損害賠償請求を行う際に不利になることがありますので注意すべきでしょう。本章では、誹謗中傷の投稿を発見した直後にやるべきことから、証拠保全、拡散防止策まで、実務で役立つ流れを紹介します。
まず最優先すべきは「証拠の確保」です。誹謗中傷の投稿は加害者や運営側の判断で削除される可能性があります。
誹謗中傷などの投稿を見つけたらすぐに以下の対応を行いましょう。
これらの対応を行っていない段階で削除依頼をしてしまうと、証拠が残らず「裁判で立証できない」というリスクがあります。そのため、必ず削除請求をする前に証拠を残しておくことをおすすめします。
誹謗中傷の書き込みを発見したとき、もっとも基本かつ重要なのが「スクリーンショットによる保存」です。スマートフォンやPCで画面をそのまま画像として保存することで、投稿内容・アカウント名・投稿日などを確実に残せます。
その際の注意点は、画面の一部だけでなくURLや日時も映るように保存しておくことです。これにより、後で本当にそのページに存在した投稿かどうかを証明しやすくなります。
さらに信頼性を高めたい場合には、「タイムスタンプ」を活用する方法があります。タイムスタンプとは、ある時点でそのデータが存在していたことを第三者的に証明できる技術です。スクリーンショットやPDFを保存した際にタイムスタンプを付与しておけば、後から改ざんされたものではないことを示す強力な証拠になります。
このような証拠保全をきちんと行ってから削除請求を進めることで、「証拠が残っていないために加害者を特定できない」といった事態を防げます。加えて、被害が拡散し続ける場合には、プラットフォームに削除請求をすると同時に、検索結果からの削除申立ても行うとより効果的です。
証拠を確保した後は、各プラットフォームに通報を行い、問題となった投稿の削除を依頼します。削除請求は、利用規約に基づく通報フォームやメールで行うのが一般的です。しかし、プラットフォームが対応に応じないときは、裁判所に削除仮処分の申立てを行うことになります。
また、誹謗中傷の投稿により深刻な被害が生じているような場合は、投稿者を特定し、損害賠償請求を行うことが可能です。そのためには、まずは投稿者の特定が必要になりますので、発信者情報開示請求の手続きを進めていきましょう。
企業としては、削除請求や通報の経緯をきちんと記録に残しておくことも大切です。どの投稿に対して、いつ、どんな対応をしたのかを社内で管理しておけば、後に裁判や社外説明が必要になったときにもスムーズに対応できます。
以下のチェックリストをもとに対応を進めれば、「証拠が残っていない」「社内処理に不備があった」といったトラブルを防ぎ、スムーズに法的対応へ移ることができます。
ここまで紹介してきた削除請求や証拠保全は、企業の担当者でもある程度対応できるでしょう。
しかし、事態が深刻化したときや企業ブランドを守りたい場合には、弁護士に依頼することで大きなメリットが得られます。本章では、弁護士に相談すべき典型的な局面とその費用対効果について説明します。
誹謗中傷によって実際に売上が減少したり、取引先や顧客からの信頼を損ねたりした場合は、加害者に対して損害賠償請求を行うことが可能となります。ただし、この手続きには、発信者情報開示命令の申立て→加害者の特定→損害額の立証という対応が必要になるため、専門的な知識や経験が不可欠です。
依頼を受けた弁護士は、証拠収集から訴訟の準備、損害額の算定まで一貫したサポートができるため、請求の成功率を高めることが可能です。特に企業の場合は、「法的に適切な対応をとった」という姿勢自体がコンプライアンス上の信頼にもつながり、費用対効果は非常に高いと考えられるでしょう。
プラットフォームに削除請求をしても、事業者側が応じないことがあります。その場合には、裁判所に「仮処分」を申し立て、強制的に削除を実現する方法をとることができます。ただし、仮処分は、法律的な要件を満たす必要があり、一般の方が自力で申し立てをしても受理されないケースが多いのが実情です。
弁護士であれば、申立書の作成から裁判所とのやり取りまでを代行できるため、迅速な削除につなげられる可能性を高められます。被害が広がる前に確実な手を打てることから、費用をかけても依頼するメリットが大きいといえるでしょう。
実際に、ベリーベスト法律事務所で対応した身に覚えのない内容で会社の名誉を侵害されたG社(不動産管理会社)の事例では、弁護士が虚偽性を証拠によって立証し、ガイドラインにのっとった削除依頼を行った結果、すべての書き込みを削除させることに成功しました。単に削除を求めるだけでは拒まれる可能性が高い事案でも、弁護士が関与することで結果を変えられる好例といえます。
誹謗中傷が繰り返される場合や、組織的に拡散されているケースでは、単発の削除だけでは不十分です。
このような場合、弁護士が関与することで、以下のような再発防止策をとることが可能です。
実際にベリーベスト法律事務所で対応した、大手検索エンジンのサジェストに「違法行為を連想させる言葉」が表示され、会社名と並んで出てしまった事例を紹介します。
弁護士が削除依頼を行った結果、数日でサジェストを消すことに成功しました。根拠のないサジェスト表示であっても、放置すれば顧客や取引先の信用低下につながります。しかし、専門家による適切な主張と証拠の提示によって、早期解決が可能になります。
このように、企業ブランドを守る取り組みは長期的なコスト削減につながります。放置すれば信用失墜や株価下落といった大きな損失につながる一方、弁護士の関与によって早期収束を図れるための法的な対策を行うことが可能です。
企業としてどのような対応をとるべきか悩まれたときも、ぜひ弁護士にご相談ください。ベリーベスト法律事務所では、削除請求や誹謗中傷対策についての知見が豊富な弁護士が、あなたの事業が受けるダメージを最小限に抑えられるよう全力でサポートします。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。
誹謗中傷や風評被害などのインターネットトラブルでお困りの際は、お電話やメールにてお問い合わせください。
※記事は公開日時点(2026年01月14日)の法律をもとに執筆しています


