削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
「5ちゃんねる」とは、インターネットにおける巨大掲示板サイトのひとつです。1999年に開設され、もともとは2ちゃんねるという名称でしたが、運営権の移転などを経て、2017年に5ちゃんねるとして新設されました。
「ハッキングから今晩のおかずまで」というキャッチフレーズの通り、ニュース速報板、文学板、食べ物板など、「板」と呼ばれる多種多様なカテゴリーに分かれています。それぞれの板には、スレッドと呼ばれる掲示板があり、カテゴリーに即した話題で自由にスレッドを作ることができ、また、誰もが匿名で書き込むことができます。
基本的に5ちゃんねるでは、どの話題についても自由に発言できますが、匿名ゆえに、個人法人を問わず、誹謗中傷の書き込みが行われやすい環境でもあります。
5ちゃんねるの書き込みを削除したい場合、まずは全文検索をします。
全文検索とは、5ちゃんねるのスレッドに社名や会社にまつわる話題がどれだけ掲載されているか、複数の文書に含まれる特定の文字列を検索することです。
5ちゃんねるの全文検索ができるツールは、
などがあります。
①では、5ちゃんねる(旧2ちゃんねるを含む)のスレッドやレスを網羅的に検索することができます。また、後ほど説明するDAT落ちや1000レスに到達したスレッドも検索可能ですので、過去のものも含めて広く検索するのに適しています。
②では、検索ワード・板・サイトを選択することができるため、たとえば、検索ワードに「A株式会社」と入力し、すべての板、すべてのサイト、を指定して検索すると、A株式会社という単語が書き込まれた5ちゃんねる関連のスレッドすべてを確認することができますが、反対に、ある程度絞り込んで検索することも可能になります。
条件を付けたうえで絞って検索したい場合には、②の方が適しているといえるでしょう。
なお、①②ともに、過去のスレッド(過去ログ)を無料で利用できるサービスです。
5ちゃんねるにおける、過去ログの意味や検索方法を解説していきます。
過去ログとは、文字通り過去のログ(記録)のことで、一般には、過去の通信履歴、コンピューターの運用記録、インターネット上の掲示板やメーリングリストの内容や記録などを意味します。
5ちゃんねるにおける過去ログとは、レス数が1000を超え、それ以上書き込みができなくなったスレッドやその中のレスのことで、掲示板のスレッド一覧から削除された後、過去ログ(過去ログ倉庫とも呼ばれます)にデータが保存されます。
過去ログにはそのスレッドのレス番号、書き込みが行われた日時、書き込まれた内容などが保存されます。
また、一定期間内に書き込みが行われなかったスレッドも掲示板の一覧から削除され、同じく過去ログに保存されます。これはdat落ちと呼ばれます。
いずれにせよ、過去ログ行きとなったスレッドは書き込みができなくなり、5ちゃんねるのスレッド一覧から消えて、検索エンジンにもヒットしなくなります。
上記のとおり、過去ログのスレッドは検索エンジンからも5ちゃんねるからも閲覧することはできません。
しかし、注意点として、下記の方法では閲覧することができます。
過去ログ行きになったスレッドを回覧する方法は、
などがあります。
いずれの方法でも、専門的な知識やツールは不要で、誰でも簡単に過去ログ行きになったスレッドの内容を見ることができます。
つまり、5ちゃんねるのスレッド一覧から削除されただけ(過去ログに格納されただけ)では、誹謗中傷の閲覧や拡散を防止するための根本的な解決にはならないのです。
なお、書き込みが1000を超えると過去ログ行きになるため、スレッドに大量の書き込みを行い、意図的に過去ログ行きにする手法がありますが(埋めと呼ばれる)、上記の理由から、あまり根本的な対処方法とはいえないでしょう。
5ちゃんねるのスレッドや過去ログで誹謗中傷の書き込みを把握したら、書き込みの削除を請求します。ここでは、5ちゃんねるに削除依頼をする方法を解説していきます。
5ちゃんねるに書き込みを削除してもらうには、まず、5ちゃんねるが設定した削除ガイドラインの基準を満たしているかどうかを確認する必要があります。
削除ガイドラインとは、どのような書き込みが削除対象になるかを示す基準であり、ガイドラインの基準を満たしていない場合、基本的に削除は困難となってきます。
削除ガイドラインでは、主に名誉権やプライバシー権の侵害、社会に危険性がある情報(無差別殺人予告など)の記載であるか否かを重視します。
また、一般人に対する誹謗中傷は、比較的削除対象になりやすいのですが、会社などの法人に対する誹謗中傷は基本的に削除が難しいとされています。しかし、根拠のない悪質な情報が拡散すれば、会社の損害につながるケースもあるでしょう。インターネットの削除請求問題に詳しい弁護士へ、早期に相談することをおすすめします。
なお、個人で削除請求をするには、5ちゃんねるに記載されているメールアドレスへのメール送信での依頼や削除請求フォームから依頼することができます。
ガイドライン上、削除されない可能性が高い場合や5ちゃんねるに依頼してもなかなか削除されない場合は、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。
インターネット問題の対応に長けた弁護士であれば、そもそも5ちゃんねるのガイドラインの削除対象になる事案かどうかを判断できますし、弁護士が代理人として削除を依頼することで、個人の依頼よりも削除できる可能性が高まることが期待できます。
それでも、5ちゃんねるが削除に応じない場合は、法的な削除請求に進むことが考えられます。
民事訴訟を提起する方法もありますが、削除が認められるまでに時間がかかるため、迅速な解決が求められる削除請求にはあまり適していません。
そのため、民事保全法に規定されている仮処分の手続を申し立てることが一般的です。仮処分とは、裁判の判決がでるまでの期間、損害が拡大することを防ぐため、勝訴したときと同様の状態を仮処分として確保しておく手続です。
仮の手続とはいえ、裁判所が削除命令を発した場合、相手方は書き込みの削除に応じるケースが多いため、仮処分以降の手続は不要になるのが一般的です。
もしも相手が削除命令に応じない場合は、勝訴判決の確定後に強制執行の手続をとることとなります。
まず、5ちゃんねるのサイト運営者に対して、削除の仮処分の要件を満たすことを示す申立書と、裁判官が判断するための証拠を提出します。
削除の仮処分の主な要件は、2点です。
提出する証拠の例としては、削除請求の対象となる書き込みが記載されたスレッドの画像や動画になります。
申立てが受理されると、一般的な流れとしては審尋期日が定められます。審尋期日は審理を担当する裁判官が相手方の言い分を聞いたり、証拠などを参照したりして仮処分の妥当性を判断します。
審尋などを経て裁判所が被害者の申立てが相当であると判断した場合、被害者は裁判所が決定した担保金を法務局に供託することとなります。
担保金は違法・不当な仮処分が執行された場合に相手が受ける可能性がある損害を担保するもので、特に問題がなければ後に還付されます。
担保金が供託されたこを裁判所が確認すると、書き込みを削除する旨の仮処分命令が発令されます。命令を受けた相手方は、多くの場合は正式な裁判を経ずに書き込みの削除に応じます。申立てから仮処分命令の発令までは、一般的に1~2か月ほどかかります。
5ちゃんねるに書き込まれた誹謗中傷の書き込みの確認は、スレッドの全文検索や過去ログの検索から誰でも行うことができます。
ただし、検索により誹謗中傷の書き込みを特定しても5ちゃんねるが提示するガイドラインの要件を満たさなければ、削除してもらうのは難しく、特に法人における削除請求は弁護士の協力が重要といえるでしょう。
5ちゃんねるの書き込みでお悩みの個人や法人は、ぜひベリーベスト法律事務所にご相談ください。インターネットの誹謗中傷に対して経験豊富な弁護士が、解決に向けて迅速にサポートいたします。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。
誹謗中傷や風評被害などのインターネットトラブルでお困りの際は、お電話やメールにてお問い合わせください。
※記事は公開日時点(2021年09月14日)の法律をもとに執筆しています