弁護士コラム

この記事の
監修者
荻原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
  • 口コミ投稿
    法人
    2022年07月21日更新
    レビューによる営業妨害はどんな法的責任を負う? 対処法は?
    レビューによる営業妨害はどんな法的責任を負う? 対処法は?
    飲食店や商店にとって、顧客の方からインターネット上で批判されることは、避けられないものです。

    しかし、営業妨害につながるような誹謗中傷や事実無根のレビュー(口コミ)は、違法と見なされて、法的な対応がとれる可能性があります。もし悪質なレビューや口コミを発見した場合は、速やかに弁護士に相談して、削除請求や損害賠償請求などの対応を検討しましょう。

    本コラムでは、インターネット上の悪質なレビューによる営業妨害について、投稿者が負う法的責任や、被害を受けた店主や経営者が取れる対処法を、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
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1、悪質なレビュー(口コミ)の投稿者が負う法的責任は?

言論や表現の自由は法律で保障されていますが、レビューや口コミを含むインターネット上の文章にはどんなことでも書ける、というわけではありません。
誹謗中傷が含まれていたり、事実無根の内容であったりするレビューを投稿して、店舗や会社の営業を妨害した者は、刑事上や民事上の責任を負う可能性があるのです。

  1. (1)刑事上の責任|刑事罰を科される可能性あり

    誹謗中傷または事実無根のレビューを投稿する行為については、以下の犯罪が成立する可能性があります。

    ① 信用毀損罪・偽計業務妨害罪(刑法第233条)
    3年以下の懲役または50万円以下の罰金
    ② 名誉毀損罪(刑法第230条第1項)
    3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金
  2. (2)民事上の責任|損害賠償義務を負う可能性あり

    誹謗中傷または事実無根のレビュー(口コミ)は、民法上の「不法行為」(民法第709条)に該当します。

    不法行為の被害者は、加害者に対して損害の賠償を請求することができます。
    賠償を請求できる対象には、店舗の売上が減少したことで起こった金銭的な損害だけでなく、精神的な損害に対する賠償である「慰謝料」も含まれます

2、悪質なレビュー(口コミ)について犯罪が成立する基準は?

以下では、誹謗中傷または事実無根のレビューを投稿することで成立する可能性がある犯罪について、それぞれどのような条件の下で成立するのかを解説します。

  1. (1)信用毀損罪・偽計業務妨害罪の成立要件

    信用毀損罪・偽計業務妨害罪は、以下の要件をいずれも満たす場合に成立します。

    ① 虚偽の風説を流布し、または偽計を用いたこと
    「虚偽の風説を流布」するとは、客観的真実に反する噂や情報を、不特定または多数の人に伝えることを言います。
    「偽計」とは、他人を欺くこと、または他人の錯誤や不知を利用することを言います。

    ②(信用毀損罪の場合)①によって、他人の信用を毀損したこと
    「信用」とは、支払能力や支払意思、または商品・サービスに対する社会的信頼を意味します。
    他人の信用を低下させるような虚偽の風説を流布したり、偽計を用いたりした場合には、「信用毀損罪」が成立します。
    なお、現実に信用毀損の結果が生じたかどうかは考慮されません(大審院 大正2年1月27日判決)。

    ③(業務妨害罪の場合)①によって、他人の業務を妨害したこと
    「業務」とは、職業などの社会生活上の地位に基づき、継続して行う事務・事業を意味します。
    他人の業務を妨害するような虚偽の風説を流布したり、偽計を用いたりした場合には、「偽計業務妨害罪」が成立します。
    信用毀損罪の場合と同じく、業務妨害罪の場合も、現実に業務妨害の結果が生じたかどうかは考慮されません(大審院 昭和11年5月7日判決)。
  2. (2)名誉毀損罪の成立要件

    名誉毀損罪は、以下の要件をすべて満たす場合に成立します。

    ① 公然と言動を行ったこと
    「公然」とは、不特定または多数の人が認識し得る状態を意味します。

    ② 何らかの事実を摘示したこと
    単なる侮辱にとどまらず、何かしらの事実を示したうえでの言動であることが必要とされます
    事実の摘示がない場合には「侮辱罪」(刑法第231条)が成立します。

    ③ 他人の名誉を毀損したこと
    「名誉」とは、社会的評価のことを意味します。

    ④ 違法性が阻却されないこと
    以下の要件をすべて満たす場合には違法性が阻却されて、名誉毀損罪は成立しません(刑法第230条の2)。
    • 言動が公共の利害に関する事実に関係すること
    • 言動の目的が専ら公益を図ることにあったと認められること
    • 摘示された事実が真実であったことの証明があったこと
    なお、真実性について誤信があったとき、その誤信が確実な資料・根拠に基づく場合には、犯罪の故意が否定されて、名誉毀損罪は不成立となります(最高裁 昭和44年6月25日判決)。

3、悪質なレビュー(口コミ)を書かれた場合の対処法は?

表現や言論の自由との兼ね合いのために、悪質なレビューや口コミを信用毀損罪・偽計業務妨害罪・名誉毀損罪などの刑事罰の対象として立件することは、実際には困難なものです。

しかし、誹謗中傷や事実無根の投稿を放置すると、店舗の売上や営業などにも悪影響が生じるおそれがあります。
そのため、悪質なレビューを発見したら、早急に対処することが望ましいでしょう。

以下では、店舗のオーナーや経営者が悪質なレビューを発見したときに実践できる対応について、具体的な方法を解説します。

  1. (1)投稿者に対して直接削除を求める

    投稿者が誰だかわかっている場合には、まずは投稿者に直接連絡して、投稿の削除を求めましょう。

    投稿者によっては、オーナーや経営者から連絡がされることで自らの投稿の問題を認めて、自発的に投稿の削除に応じる可能性があります。
    投稿者が削除に応じた場合には、もっとも迅速にレビューを削除できる方法といえるでしょう。

  2. (2)サイト管理者に対して削除依頼を行う

    投稿者が投稿の削除に応じない場合や、投稿者が不明の場合には、サイトの管理者に削除依頼を行うことも検討できます。

    一般的な口コミサイトでは、問い合わせフォームなどから削除依頼をすることができます。
    投稿の内容や実際に発生している損害について、詳細を具体的に記載することで、削除依頼が認められる可能性を高められるでしょう。

  3. (3)投稿削除の仮処分を申し立てる

    サイトの管理者が投稿削除に消極的な場合や、管理者からも反応がない場合には、次なる手段として、裁判所に投稿削除の仮処分を申し立てることを検討しましょう。

    悪質なレビューによって、店舗に著しい損害が生じていることを証明できれば、裁判所が、投稿削除の仮処分命令を下します(民事保全法第23条第2項)。
    大半の場合、仮処分命令があれば、サイトの管理者も投稿の削除に応じます。

  4. (4)投稿者に対して損害賠償を請求する|匿名なら発信者情報開示請求を

    悪質なレビューが原因で、売上も減少などの損害が実際に発生している場合には、投稿者に対する損害賠償請求も検討しましょう。

    損害賠償を請求する際には、まずは示談交渉を行います。
    示談においても投稿者が誠実な態度を示さないようであれば、弁護士に依頼して、損害賠償請求訴訟を提起しましょう。

    なお、投稿者が匿名の場合には、「発信者情報開示請求」(プロバイダ責任制限法第4条第1項)を行うことで、投稿者を特定できる可能性があります。
    発信者情報開示請求では、サイトの管理者やインターネット接続業者に対して、投稿者のIPアドレスや個人情報の開示を求めることができます。
    基本的に、発信者情報開示請求は、裁判所への仮処分申立てを通じて行うのが一般的です。
    匿名投稿者に対する損害賠償請求を検討される場合には、弁護士までご相談ください。

4、悪質なレビュー(口コミ)について弁護士がサポートできること

誹謗中傷が含まれていたり、事実無根の内容であったりするレビューを発見して、店舗の評判や売上への悪影響が懸念される場合には、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)削除請求や損害賠償請求を一括サポート

    投稿者が削除に応じない場合、サイト管理者や裁判所に対して、複雑な手順を経て削除請求を行う必要があります。
    また、損害賠償請求についても、発信者情報開示請求や訴訟に発展するケースも多いため、手続きが非常に煩雑となります。

    弁護士は、削除請求や損害賠償請求の手続きを一括してサポートすることができます。
    面倒な手続きの大部分も弁護士に任せることができるため、負担を大きく軽減できるでしょう。
    とくに裁判手続きに発展する場合には個人で対応することは困難であるため、弁護士にご依頼ください。

  2. (2)迅速な対応により被害を最小化

    悪質なレビューは、事実無根のものであったとしても、掲載期間が長引けば長引くほど、深刻な風評被害につながってしまいます。

    弁護士に依頼すれば、一刻も早く悪質なレビューを削除して、損害を食い止めるための対応を開始することができます。
    もし、ご自身の経営される店舗の営業妨害となるようなレビューを発見した場合には、できるだけ早く弁護士に相談することで、被害を最小限に抑えることができるでしょう。

5、まとめ

商店や飲食店などの店舗に対して誹謗中傷が含まれていたり事実無根の内容であったりするレビューや口コミを投稿する行為は、信用毀損罪・偽計業務妨害罪・名誉毀損罪などの犯罪が成立する可能性があります。
また、刑事事件として立件されない場合にも、投稿の削除を求めたり加害者に対して損害賠償を請求したりするなどの対応を実施することができます。
自身の経営する店舗に対する悪質なレビューを発見した場合には、風評被害を最小限に食い止めるために、速やかに対応に着手するようにしましょう。

ベリーベスト法律事務所では、悪質なレビューや口コミやお悩みの方のご相談を承っております。
削除請求と損害賠償請求のいずれについても、手続きの全般を弁護士が代行して、事態を迅速に収拾するために尽力します。
悪質なレビューによる営業妨害にお悩みの方は、まずはベリーベスト法律事務所にご連絡ください。

この記事の監修者
荻原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。ぜひ、お気軽にご相談ください。

※記事は公開日時点(2022年07月21日)の法律をもとに執筆しています

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