弁護士コラム

この記事の
監修者
萩原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
  • 削除請求
    法人
    2025年04月23日更新
    ミニモの悪質な口コミにお困りの方へ。削除方法を弁護士が解説

    ミニモの悪質な口コミにお困りの方へ。削除方法を弁護士が解説

    「ミニモ」は、美容師・ネイリスト・アイデザイナーなどに関する情報がまとめられたウェブサイトです。利用者はミニモ上で口コミの投稿ができます。

    ミニモに投稿された口コミには参考になるものもある一方で、悪質な誹謗中傷に当たるものも含まれています。経営する店舗に関する誹謗中傷がミニモに投稿されているのを見つけたら、削除請求について弁護士に相談しましょう。

    本記事では、ミニモに掲載された口コミを削除する方法や、削除請求について弁護士に相談するメリットなどを、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
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1、ミニモの口コミガイドライン

ミニモは、美容師・ネイリスト・アイデザイナーなどに関する サイトです。

ミニモには、実際に美容院やネイルサロンなどを利用したユーザーが口コミを投稿できます。口コミには参考になるものもありますが、中には不適切な誹謗中傷に当たるものも含まれています。

ミニモは口コミガイドラインを設けており、ガイドラインに違反する口コミは削除の対象となります。誹謗中傷の口コミ削除を請求する際には、口コミガイドラインの内容を踏まえて、削除すべき理由を明確に記載しましょう

  1. (1)ミニモの口コミガイドラインの主な内容

    ミニモにおいて口コミを掲載する人は、運営会社が設けているガイドラインを守らなければなりません。

    口コミに関しては、以下の内容の投稿がガイドラインに沿わないものとされています。

    • 施術に至らなかった予約についての投稿
    • 対価を目的とする投稿
    • 掲載者の関係者による投稿
    • 掲載者が内容の指示を行った投稿
    • 誹謗中傷や他人の権利を侵害する投稿
    • 法令違反、公序良俗に反する投稿
    • その他、サイト上に掲載するにあたって不適切とみなされる投稿

    上記のいずれかに該当する口コミは、ミニモの運営事務局によって削除または非公開とされることがあります。

  2. (2)削除の対象となる口コミの具体例

    たとえば、ミニモ上に投稿された、以下のような内容の口コミは、ガイドライン違反で削除の対象になると考えられます。

    (例)
    • 「友人の評判が悪いので、予約をキャンセルした。最悪の店らしい。」
      →施術に至らなかった予約についての投稿なのでNG
    • 「この店のサービスは最悪だった。」(対象店舗の競合他社からお金をもらった人による投稿)
      →対価を目的とする投稿なのでNG
    • 「この店のサービスは最高。みんな行くべき。」(対象店舗のスタッフによる投稿)
      →掲載者の関係者による投稿なのでNG
    • 「美容師の技術が高く、大満足だった。」(対象店舗の指示に従った投稿)
      →掲載者が内容の指示を行った投稿なのでNG
    • 「店を利用した際に、店長が女性客の身体をべたべた触っていた。」
      →真実でない限り、誹謗中傷なのでNG
    • 「店長は不倫をして、妻と離婚協議をしているらしい」
      →誹謗中傷またはプライバシー権侵害に当たるのでNG

2、ミニモの口コミを削除する方法

ミニモに投稿された口コミを削除してもらうための方法として、まず挙げられるのが、運営会社に対して通報フォームから通報する方法や、送信防止措置依頼書を送付する方法です

なお、口コミに対して事業者が自ら返信するのは、炎上などによって店舗の評判を落としてしまうリスクがあるので危険です
誹謗中傷の口コミを見つけたら、対処法について事前に弁護士へご相談ください。弁護士と顧問契約を締結すれば、誹謗中傷への対応について、いつでも相談することができます。

  1. (1)通報フォームから通報する

    ミニモの口コミについて削除申請(削除依頼)を行うには、まずスマートフォンアプリをインストールする必要があります(PCからでは削除申請ができません)。

    ・アプリ上で削除したい口コミを出す
    ・口コミの右上にある「…」をタップして通報を選択
    ・通報フォームを開き、必要事項を入力して送信
    をすれば、削除申請は完了です。

    口コミを削除するかどうかは、ミニモの運営事務局が審査を行って判断します必ず削除されるわけではありません
    削除してもらえる可能性を高めるためには、ミニモの口コミガイドラインの内容を踏まえた上で、削除すべき理由を明確に記載しましょう。

  2. (2)送信防止措置依頼書を送付する

    通報フォームからの削除申請に加えて、ミニモの運営会社に対して「送信防止措置依頼書」を送付すると、誹謗中傷などの口コミが削除されるケースがあります。

    「送信防止措置」とは、誹謗中傷など人の権利を侵害する情報(=侵害情報)につき、プロバイダ(=サイト管理者など)が行う削除などの措置です。

    サイト管理者は原則として、サイト上に掲載された誹謗中傷などについて、被害者に対する損害賠償責任を負いません。
    しかし、送信防止措置を講ずることが技術的に可能であって、かつ権利侵害の事実を知っていた場合には、サイト管理者の免責が適用されず、損害賠償責任を負う可能性が生じます(プロバイダ責任制限法第3条第1項)。

    運営会社が送信防止措置依頼書を受け取った場合、その時点で権利侵害の事実を知っていたものと取り扱われる可能性が高いため、運営会社は口コミの削除に応じることがあります。

    送信防止措置依頼書の書式は、一般社団法人テレコムサービス協会のウェブサイト上からダウンロード可能です(=テレサ書式)。

    上記2つはご自身で対応することも可能ですが、弁護士に依頼すれば、法的説得力を持って口コミ削除を求めることができます。3章では弁護士に依頼するメリットをお伝えします。

3、口コミで誹謗中傷を受けた場合に、弁護士へ相談するメリット

インターネット上の口コミによって誹謗中傷を受けた場合には、なるべく早めに弁護士へ相談しましょう。誹謗中傷への対応について弁護士に相談することには、主に以下のメリットがあります。

・問題のある口コミに対する最適な対処法を提案できる
ひとくちに問題のある口コミといっても、個人情報が漏洩されている、名誉毀損されている、営業に差し支えがあるなどその影響範囲はさまざまです。それに対して、相手方に連絡をするのが良いのか、民事裁判をするべきか、刑事告訴をするべきかなど、最適な対処法はケースによって変わってきます。弁護士であれば、どの方法を使うべきか、お客さまに対して最適なご提案が可能です。

・相手方に対して、ガイドラインや法令の根拠に基づいて削除を申請できる
上記でお伝えしたガイドラインなどに基づいて、相手方に対して法的根拠をもって、口コミを削除するよう働きかけることができます。

・仮処分や訴訟などの裁判手続きに代理人として対応できる
仮に相手方に働きかけても口コミが削除できなかった場合、裁判所の手続きを使って口コミの削除を求める方法もあります。(詳細は4章で解説)裁判所とのやり取りや手続きは難しいものですので、弁護士に依頼するのが安心です。弁護士であれば、お客さまの代理人として裁判所とのやり取りを行うことができます。

一日も早く誹謗中傷の口コミを削除してもらうためには、弁護士のサポートが大いに役立ちます。インターネット上での誹謗中傷被害にお悩みの店舗経営者の方は、弁護士へご相談ください。

4、口コミの削除申請が認められなかったら、削除仮処分の申し立てを

ミニモの運営会社に対して口コミの削除を申請しても、必ず認められるとは限りません。運営会社に対する申請が認められなかった場合は、裁判所に対する削除仮処分の申し立てを検討しましょう

仮処分とは、権利侵害を受けている状態を回復するための暫定的な処分です。誹謗中傷の被害を受けており、著しい損害または危険が迫っているおそれがあることを裁判所に伝え、そのおそれがあるかもしれないと裁判所が認めれば、運営会社に対する投稿削除の仮処分命令が発令されます。

仮処分命令の書面を示して再度削除申請を行えば、誹謗中傷の口コミは速やかに削除されるケースが多いです。

投稿削除の仮処分申し立てが認められるためには、誹謗中傷の証拠をしっかり確保し、裁判所にきちんと提出することや、具体的にどのような損害が生じているのかを客観的な資料によって示すことなどが大切です。
弁護士のサポートを受けながら、十分な準備を整えた上で仮処分申し立てを行いましょう。

5、誹謗中傷の口コミについて、投稿者の責任を追及する方法

仮処分で口コミが消えたとしても、口コミが消えるまでの間に損害を被ってしまったということもあるでしょう。その場合には、投稿者の民事上および刑事上の責任を追及することができます。
まず発信者情報開示請求によって投稿者を特定した上で、損害賠償請求や刑事告訴を行います。

  1. (1)発信者情報開示請求・発信者情報開示命令で投稿者を特定する

    誹謗中傷の口コミが匿名で投稿されている場合は、まず投稿者の名前や住所を特定する必要があります

    投稿者を特定するためには、裁判所を通じて発信者情報開示請求や発信者情報開示命令を求めましょう。開示請求や開示命令が発令された場合には、サイト管理者(ミニモの運営会社など)やインターネット接続業者から、投稿者の個人情報の提供される可能性があります(もっとも開示請求や開示命令に従わない業者もありますので、絶対に相手の個人情報が判明するというわけではありません)。

    裁判手続きに当たっては、専門的かつ複雑な対応が必要になりますので、弁護士にご相談ください。

  2. (2)損害賠償を請求する

    誹謗中傷の口コミの投稿者が特定できたら、投稿者に損害賠償を請求しましょう。誹謗中傷によって受けた精神的損害や、風評被害による営業上の損害などが、損害賠償の対象です。

    損害賠償請求は、投稿者(またはその代理人)との示談交渉か、または訴訟によって行うのが一般的です。
    弁護士を代理人として、法的根拠に基づいて請求を行うと、適正な額の賠償金を得られる可能性が高まります。

  3. (3)刑事告訴をする

    事実を示した上で公然と誹謗中傷を行った場合は「名誉毀損(きそん)罪」(刑法第230条第1項)、事実を示さずに他人を侮辱した場合は「侮辱罪」(刑法第231条)が成立します。

    名誉毀損罪や侮辱罪の被害者は、投稿者を刑事告訴することができます(刑事訴訟法第230条)。刑事告訴は、警察署などにおいて受け付けています。
    刑事告訴をすると、警察や検察によって捜査が行われ、投稿者の摘発につながる可能性があります。もちろん、弁護士であれば、告訴をする方に対してサポートが可能です。

    損害賠償を請求するだけでなく、投稿者に刑罰を受けてもらいたいと考える場合は、刑事告訴を検討しましょう

6、まとめ

ミニモなどの口コミサイトにおいて、誹謗中傷などの悪質な投稿を発見したら、弁護士に相談して削除請求や損害賠償請求などを行いましょう。

また、風評被害について継続的に対策を打ちたいのであれば、顧問弁護士との契約もおすすめです。ベリーベスト法律事務所は、インターネット上での誹謗中傷被害に関するご相談を随時受け付けております。
事件やトラブルごとのご依頼のほか、クライアント企業のニーズに応じてご利用いただける顧問弁護士サービスもご用意しております。全国各地にオフィスを構えており、お近くのオフィスで弁護士に相談できるので大変便利です。

インターネット上での誹謗中傷にお悩みの企業は、当事務所へご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。
誹謗中傷や風評被害などのインターネットトラブルでお困りの際は、お電話やメールにてお問い合わせください。

※記事は公開日時点(2025年04月23日)の法律をもとに執筆しています

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