削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
インターネットが普及し日常生活は便利になりましたが、それと同時に、他者を誹謗中傷することも容易になりました。インターネットに掲載された誹謗中傷は、誹謗中傷を受けた人や会社に対してさまざまな悪影響を生じさせます。ここでは、誹謗中傷をネット上に書き込まれた際に生じる弊害についてお話します。
インターネット上で個人を対象とした誹謗中傷がなされた場合、誹謗中傷を受けた個人は、その内容にもよりますが、まずは嫌な気持ちになるでしょう。また、書き込みを行った人物が匿名であった場合、だれがこんなことを書いているのか、もしかして身近な人間が書いているのではないかと疑心暗鬼にもなってしまします。
たかがインターネットの書き込みと思っていても、そのような誹謗中傷がネット上に存在し続け、さらには繰り返し書き込まれると、書き込みを受けた個人は精神的に疲弊し、日常生活にも多大な影響が生じることがあります。
また、個人を特定できる形で誹謗中傷を受けている場合は、将来の就職活動や結婚などにも影響を与える可能性があります。近年では、就職活動の際に、企業側が個人のSNSをチェックすることもありますので、就職活動への影響は計り知れないものがあります。
会社を対象とした誹謗中傷がなされた場合、その誹謗中傷が真実かのようにネット上で拡散され、会社の売り上げやイメージを大きく下落させ、ひいては、株価の下落、人材募集への影響等、大きな損害を被る可能性があります。
たった一つの書き込みで、企業がそこまでの損害を被るという事態は昔だと考えられなかったかもしれません。しかし、SNSの発達した現代においては、たった一つの書き込みが瞬く間に全世界に拡散され、取り返しのつかない損害を被る可能性は否定できないのです。
次にインターネット上の書き込みを削除する方法を解説します。
まず、自身に対する誹謗中傷を発見した際に考えられる、誹謗中傷の削除方法としては、自身で行う削除依頼です。多くのサイトでは、個人の方でも「サイト管理者」や「運営者」への削除依頼を行うことが可能です。ただし、誹謗中傷を受けた方が成人している場合、削除依頼できるのは、ご本人か、ご本人から依頼を受けた弁護士に限られます。
大手SNSや掲示板の場合は、専用の「削除依頼フォーム」が用意されており、フォームを埋めると、運営規約などにのっとり、削除の可否について判断されます。しかし、最終的に削除するかどうかは管理者の判断に委ねられるため、必ず誹謗中傷が削除されるとは限りません。
誹謗中傷をした犯人が判明している場合には、犯人に書き込みの削除を求めることも可能です。しかし、犯人が削除に応じる可能性は低く、また、書き込みを行った自身であっても書き込みを削除できないタイプの掲示板もあるため、有効な手段とは言えません。
なお、上記以外にも①ガイドラインにのっとった削除申請②裁判所への仮処分の申立てという方法も存在します。
①ガイドラインにのっとった削除申請とは、情報通信技術関連の企業が多く所属する一般社団法人テレコムサービス協会が作成した、ガイドラインというものが存在し、そのガイドラインに従って削除要請(送信防止措置依頼)をする方法です。
ただし、依頼書には、侵害されたとする権利、権利が侵害されたとする理由を記入する欄があり、場合によっては資料の添付等も必要となるため、ある程度の法的知識が必要となります。したがって、個人が気軽に行うことは困難と思われます。
②裁判所への仮処分の申立てとは、裁判所から、サイト管理者等に対して、記事の削除を命じるよう求める手段です。裁判所からの命令であるため、任意の削除依頼に応じてこなかった業者も基本的にその決定に従わざるをえません。ただし、裁判所を利用する手続きのため、法的な知識が不可欠であり、個人が行うことは極めて困難と思われます。
インターネットの誹謗中傷書き込みを削除する専門業者に依頼して、削除や炎上対策、検索の関連ワード対策を行うことも考えられます。
ただし、専門業者には「できない手続きがある」という問題があります。
削除専門業者は弁護士ではないため、報酬を得る目的で、法律事件に関する法律事務を取り扱うことはできません。これを行った場合、弁護士法72条で禁止されるいわゆる非弁行為というものに該当してしまいます。
具体的には、依頼者の代理人となって相手方と交渉を行うことや、裁判を提起することはできないのです。
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除対応などは弁護士に依頼することができます。
弁護士に依頼すると、サイト管理者に対する任意の削除依頼でも、サイト管理者に対するインパクトが大きくなるため、削除に応じてもらえる可能性が高くなり、早期の問題解決が期待できます。
サイト管理者が削除依頼に応じてくれなくても、ガイドラインに基づく削除依頼や、裁判所への仮処分申立てなどもスムーズに行えるため、迅速かつ確実性の高い対応が期待できます。
ただし、すでに成人しているご家族が誹謗中傷を受けている場合、削除や損害賠償請求について依頼できるのは基本的にご本人に限られます。ご本人が依頼できる状態でない限り、ご家族からのご相談やご依頼を受けることできません。また、未成年者が誹謗中傷を受けていて削除を希望する場合は、保護者の同意が必要です。
インターネットへの誹謗中傷の書き込みが名誉毀損等に該当する場合等は、書き込みを行った本人(発信者)に対して、損害賠償請求を行える可能性があります。
認められる損害賠償の額としては、事案にもよりますが、数10万円程度となることが多いようです。
誹謗中傷を受けた人の精神的苦痛が本当に上記金額で癒やされるのかは疑問があるところです。もっとも、あくまで損害賠償額は、諸般の事情を考慮して決定されるものですから、書き込みの内容によっては、上記より高額な損害賠償が認められる可能性もあります。
発信者情報開示請求とは、書き込みを行った人間の情報をプロバイダに開示するよう請求する手続きを言います。具体的には、「プロバイダ責任制限法第4条1項」に記載されている情報開示請求のことを言います。
発信者情報開示請求を行えば、ネットに誹謗中傷を書き込みした人物の「住所」「氏名」「電話番号」などの個人情報を開示するようプロバイダに請求することが可能になります。
誹謗中傷を行った相手に対して損害賠償請求を行うためには、まず、誹謗中傷を行った人物を特定しなければならないので、多くのケースにおいて、発信者情報開示請求は損害賠償請求を行うための必須の請求といえます。
発信者情報開示請求が認められるためには、その書き込みによって、請求者の権利が侵害されたことが明らかであるといえなければなりません。
多くの場合は名誉毀損が成立するかどうかが争点となります。
発信者情報開示は、書き込みを行った人物の個人情報を公開する手続きであり、このような請求が安易に認められてしまうと、表現行為への萎縮的効果が生じてしまします。すなわち、個人情報を開示されるのではないかとの恐怖心から、人々がインターネットへ書き込みを躊躇してしまうようになり、結果として、社会全体における自由な情報の流通が制限されてしまうようになってしまうということです。
このような弊害が生じないよう、発信者情報の開示は、請求者から十分な主張立証が行われなければ認められるものではありません。
請求を受けたプロバイダ側も、当該書き込みは名誉毀損にあたらないと争ってくることが多い傾向があります。
このように認められるのが難しい手続きであり、情報を開示してもらうためには、高度に専門的な法的知識が必要となってくるため、発信者情報開示請求を考えられている方は、弁護に対応を一任することを強くおすすめします。
今回は、ネットに書き込みされた誹謗中傷を削除する方法を中心に、犯人を特定する方法や特定したらできることについて解説しました。ネットへ書き込まれた誹謗中傷を放置すると、個人であれ会社であれ大きな損害を被る可能性があります。迅速に対応するほうがよいでしょう。
できれば書き込みが確認できた時点で弁護士に相談し、削除請求や発信者情報開示請求、損害賠償請求等の手続きを依頼することをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所では、誹謗中傷に関する事件について、経験豊富な弁護士が在籍しておりますので、誹謗中傷でお悩みの方は一度ご相談ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。
誹謗中傷や風評被害などのインターネットトラブルでお困りの際は、お電話やメールにてお問い合わせください。
※記事は公開日時点(2021年09月21日)の法律をもとに執筆しています