弁護士コラム

この記事の
監修者
荻原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
  • 口コミ投稿
    法人
    2021年12月01日更新
    返信? 削除請求? 自分の店にクレームの口コミが投稿されたときの対応
    返信? 削除請求? 自分の店にクレームの口コミが投稿されたときの対応
    飲食店・美容室などの店舗や、ホテルなどの施設を経営している場合には、インターネット上にクレームの口コミが書き込まれてしまうことは避けられません。

    正当なクレームであれば丁寧に返信したほうがよいですが、誹謗中傷が含まれている場合には削除請求をしたほうがよい可能性もあります。

    本コラムでは、経営する店舗や施設などに関するクレームの口コミを発見した場合の対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
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1、店舗に対するクレームの口コミが投稿されるパターンとは?

Googleマイビジネスなどの口コミサイトや予約サイトは、多くのユーザーが参考にしているため、店舗や施設の売り上げを大きく左右します。
そのため、これらの口コミサイトにクレームが投稿されると、ユーザーに悪い印象を与えて、経営に悪影響が生じるおそれがあります。

口コミサイトにクレームが投稿される背景には、大きく分けて、以下のいずれかの事情が存在すると考えられます。

  1. (1)店舗が提供する商品やサービスについて不満を持った場合

    • 商品やサービスの質が、思ったよりもよくなかった
    • 買った商品が不良品だった
    • スタッフの対応が、気分のよいものでなかった

    上記のような理由から店舗が提供する商品やサービスについて不満を持った顧客が、口コミサイトにクレームを投稿することがあります

    客観的に見て正当なクレームもあれば、少々過敏すぎると思われるクレームもあるでしょう。店舗の経営者は、クレームの深刻度や緊急性を見極めて、適切な対策を講じることが必要となります。

  2. (2)店舗・店主・従業員などに対して悪意を持っている場合

    • 競合店舗の評判を失墜させてやろう
    • 店主や従業員に対して、個人的な恨みがある

    世の中には、上記のような「悪意」を持つ人が存在します。
    悪意によるクレームは、店舗が提供する商品やサービスの質とは関係なく投稿されるおそれがあります
    また、悪意によって投稿されるクレームには、誹謗中傷が含まれていることが少なくありません。

    誹謗中傷が含まれるクレームに対しては、店舗側も厳正に対応することが必要になります。

2、クレームの口コミには「誠実な返信」と「原因究明・改善対策」で対応を

クレームの口コミが正当なものである場合や、少々過敏だとしても誹謗中傷には至らない程度である場合には、店舗側は誠実に返信したうえで、原因究明と改善の対策をとることが最善です

  1. (1)誠実に返信することで、店舗のイメージが向上する

    Googleマイビジネスなどの口コミサイトでは、投稿に対して、店舗が返信できるシステムになっています。
    したがって、お客さんが投稿した口コミだけでなく、それに対する店舗からの返信も、閲覧者の目に触れることになります。

    店舗がどのような返信コメントを行っているかは、「顧客に対して丁寧な対応をする店舗かどうか」を、閲覧者が判断する重要な基準となります。
    クレームが多少理不尽な内容であったとしても、店舗側が誠実に返信すれば、閲覧者から見た店舗イメージの向上につながるでしょう

    クレームに対して怒りたい気持ちを抑えて、理由説明・今後の対応見通しなどを適宜返信すれば、店舗側はイメージアップという「実利」をとることができるのです。

  2. (2)原因究明・改善対策により、長期的に顧客満足度が上昇する

    クレームの内容が正当なものである場合には、投稿者のみならず、他の顧客も同じような不満を抱えている可能性が高いといえます。
    このような場合には、店舗は一刻も早く原因を究明して、改善の対策を講じなければなりません。

    顧客が抱える不満を放置すれば、業績が伸び悩むことが予想されます。

    反対に、早い段階で顧客の不満を解消できれば、商品・サービス自体に関する顧客満足度が向上するとともに、顧客ファーストの姿勢も評価されます

    長期的に顧客を維持して拡大するためには、正当なクレームに対して真摯に耳を傾けて、自社のビジネスをアップデートする努力が欠かせないのです。

3、クレームの口コミについて削除を求めるには?

クレームの口コミのなかには正当なものもある一方で、明らかに悪意のある誹謗中傷も含まれています
もし、経営する店舗や施設に対する誹謗中傷の口コミを発見した場合には、速やかに、削除を求めるための対応をとりましょう。

  1. (1)誹謗中傷の口コミは名誉毀損罪・侮辱罪・信用毀損罪に該当

    合理的な根拠・理由のない誹謗中傷の投稿は、以下の犯罪に該当する可能性があります

    • ① 名誉毀損罪(刑法第230条第1項)
      公然と事実を摘示したうえで、他人の名誉を毀損した場合に成立します。「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」が科されます。
    • ② 侮辱罪(刑法第231条)
      事実を摘示せずに、公然と他人を侮辱した場合に成立します。「拘留または科料」が科されます。
    • ③ 信用毀損罪(刑法第233条)
      虚偽の風説を流布し、または偽計を用いて他人の信用を毀損し、または業務を妨害した場合に成立します。「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されます。

    さらに、誹謗中傷の口コミは、被害者に対して違法に損害を与える「不法行為」(民法第709条)にも該当します。

    違法な誹謗中傷の口コミは、最終的に法的手段によって削除を求めることが可能です。

  2. (2)投稿者本人に削除を要求する

    投稿者が誰であるか判明している場合には、投稿者本人に削除を求めることが考えられます。

    ただし、Googleマイビジネスのように匿名投稿が可能なサイトの場合には、投稿者をすぐに特定することはできません
    もし投稿者が分からない場合には、別の方法により口コミの削除を求める必要があります。

  3. (3)サイト管理者に対して削除申請を行う

    サイト管理者に対して、誹謗中傷に当たる投稿の削除を求めることもできます。

    たとえば、Googleマイビジネスの「投稿コンテンツに関するポリシー」では、誹謗中傷の投稿が「不適切なコンテンツ」として禁止されています。
    「投稿コンテンツに関するポリシー」(Googleマイビジネスヘルプ)

    投稿削除の申請は、以下のお問い合わせフォームから行うことが可能です。
    「お問い合わせ」(Googleマイビジネスヘルプ)

    Googleマイビジネス以外のサイトでも、通常は投稿削除の申請を受け付けるフォームやメールアドレスが用意されています。必要事項を記入したうえで、削除の依頼を送信しましょう

    サイトポリシーへの違反が認められた場合には、運営会社によって誹謗中傷の投稿が削除されます。

  4. (4)裁判所を通じて強制的に削除を求めることも可能

    Googleなどの口コミサイト管理者は、必ずしも誹謗中傷の投稿を削除してくれるとは限りません
    また、削除の可否に関して、サイト管理者から返信メールが来ないケースもあります。

    投稿者本人やサイト管理者に対する削除申請が認められない場合は、裁判所に対して投稿削除の仮処分を申し立てましょう
    裁判所が、誹謗中傷の投稿によって、被害者に著しい損害が生じる危険があると認めた場合、サイト管理者に対して投稿削除の仮処分命令を行います(民事保全法第23条第2項)。

    仮処分申し立ての手続きでは、通常の訴訟よりも迅速に処理される点がメリットとなります。
    申し立てから仮処分命令が発せられるまでの期間は、国内事業者を相手方とする場合、おおむね1か月~2か月程度が目安となります。

4、クレームの口コミに関する削除請求は弁護士に相談を

経営する店舗や施設に関する誹謗中傷の口コミを削除したい場合には、弁護士に相談することをおすすめいたします。

被害者自身が誹謗中傷の口コミを削除するように要求しても、投稿者本人やサイト管理者は、なかなか削除に応じないケースが多々あります
しかし、弁護士を通じて連絡をした場合には、法的手続きに発展することを警戒して、態度を変化させて投稿削除に応じることがよくあるのです。

また、特に仮処分申し立てなどの法的手続きを要する場合には、裁判所への提出書類の準備などに多大な労力を要します。
弁護士に依頼すれば、裁判手続きの準備を一任できるため、店舗側の負担は大きく軽減されるのです。

さらに、投稿者を特定するための発信者情報開示請求(プロバイダ責任制限法第4条第1項)や、投稿者に対する損害賠償請求(民法第709条)などについても、弁護士なら対応が可能です。

誹謗中傷のクレーム対応については、ぜひ弁護士にご相談ください。

5、まとめ

経営する店舗や施設に対するクレームの口コミを発見した場合、基本的には誠実に返信や改善などの対応をとりつつ、誹謗中傷が含まれるものについては、法的手続きを含めた厳正な対応をとるといった方針がよいでしょう。

投稿の削除請求や、投稿者に対する損害賠償請求を行う場合には、弁護士への相談をおすすめいたします。
弁護士に依頼することで、削除請求が支障なく進行して、被害者本人の負担が軽減されるメリットがあります

ベリーベスト法律事務所の弁護士は、誹謗中傷の被害に遭った店舗・施設の経営者のために、一刻も早く投稿の削除や損害賠償の獲得が実現するよう尽力いたします。

悪質なクレーマーによる誹謗中傷の口コミにお悩みの店舗・施設経営者の方は、お早めに、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。

この記事の監修者
荻原達也
弁護士会:
第一東京弁護士会
登録番号:
29985

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。ぜひ、お気軽にご相談ください。

※記事は公開日時点(2021年12月01日)の法律をもとに執筆しています

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