削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
まずは、「YouTuber世論調査」がどのようなサイトなのか、コメントの削除は可能なのか、といった概要を解説します。
YouTuber世論調査は、公式の説明によると「YouTuberについて皆で語り合うサイト」とされています。
「やってみた系」や「ゲーム実況系」など、多数のジャンル別にYouTuberが一覧化されており、令和7年1月時点でのジャンル数は60です。
ルックス・トーク力・企画力などを5段階で評価した総合点も公開されており、YouTuberの人気がわかりやすくランキング化されています。
各YouTuberを評価するページでは、参加者が自由に投稿できる「評判」と、サイト側が予測する「収入」が公開されています。
また、参加者による投票で得票数をランキング化する「総選挙」や、話題性のあるYouTuberに関するコラムも掲載されており、YouTuberが自分の人気度を計るためにも活用されているサイトです。
YouTuber世論調査を運営しているのは「合同会社メディアサイエンス」です。
平成27年8月に設立された会社で、京都府京都市に所在地を置いています。
事業内容はWEBデザイン・WEBサイト構築・WEBサービス運営・ソーシャルメディア運営・マーケティング・各種イラスト制作となっています。
YouTuber世論調査の「評判」として投稿されたコメントは、依頼による削除が可能です。
サイト内の「お問い合わせフォーム」から、以下の情報を記載のうえで、送信します。
1回の依頼によって対応できるのは、1つのコメントだけです。
複数のコメントについて削除を依頼する際は、それぞれのコメントごとに同様の対応をする必要があります。
また、削除依頼への対応は都度に行われるため、たとえば「今後、同じような投稿があったときは削除してほしい」といった依頼には応じてもらえません。
運営会社は、削除依頼について「表現の自由を侵害する可能性」や「違法性・有害情報の判断において裁判所の司法権を侵すことへの懸念」があることから、慎重に判断するという姿勢を示しています。
そのうえで、特定の自然人・法人を誹謗中傷するコメントや、公序良俗に反するコメントは削除の対象であるとも明示されています。
つまり、削除の判断においては、「誹謗中傷にあたるのか?」「公序良俗に反するのか?」などが基準とされるのです。
運営会社が削除に応じた場合でも、「削除した」などの完了報告がされることはないため、削除の依頼者が自身でチェックしなければなりません。
公式サイトによると、対応の目安は3日~2週間程度とされています。
ある程度の期間が過ぎても削除されない場合は、運営会社が「削除基準に該当しない」と判断したと考えたほうがよいでしょう。
YouTuberであるあなたの「評価」欄に、誹謗中傷にあたるコメントや個人情報をさらすコメントが投稿されてしまった場合にとるべき対応を解説します。
まずは、投稿されたコメントが法的にみて誹謗中傷などの権利侵害にあたるものなのかどうか、慎重に検討しましょう。
攻撃的な内容であったり、YouTuberにとって不都合な内容でであったりしても、誹謗中傷にあたらないのであれば、運営会社が削除に応じてくれないからです。
削除要請をするかしないかを判断する際には、以下のようなポイントに考慮してください。
インターネット上のトラブルにおいては「炎上」にも注意しなくてはなりません。
炎上をまねくと、原因となったコメントの投稿者とは関係のないユーザーからも批判や誹謗中傷が投稿されてしまい、歯止めが利かなくなります。
不法なコメントや重大なプライバシー侵害にあたる情報の削除を求めるのは、当然の権利です。
しかし、コメントを削除された投稿者が加熱してしまい、炎上を起こす原因になるというリスクについても慎重に判断しなくてはなりません。
場合によっては、悪質なコメントであっても、無視や放置をしておいたほうがよい場合もあります。
挑発に応じずに放置しておけば、相手も投稿することをやめてそれ以上はトラブルが大きくならない可能性もあるためです。
問題となっているコメントが他の人たちからどれほど注目されているかも確認しながら、慎重に検討しましょう。
コメントの内容が刑法における「名誉毀損(きそん)罪」や「信用毀損罪」、「侮辱罪」などにあたる場合は、刑事告訴をすることで、投稿者の刑事責任を問うことが可能です。
投稿者が逮捕されるのか、刑罰が科せられるのかといった判断は、捜査機関や裁判所に委ねられます。しかし、刑事事件に発展した時点で、同じ投稿者による再度の攻撃はなくなる可能性が高いでしょう。
また、誹謗中傷のコメントが原因となって視聴回数の減少などをまねけば、広告収入や報酬の減収につながります。
YouTubeへの動画投稿を収益化している方にとっては、減収は大きな問題となるでしょう。
悪質なコメントによって減収をまねいた場合には、相手に対して経済的損害や精神的苦痛への賠償金(慰謝料)を請求できる可能性もあります。
ただし、刑事告訴や損害賠償請求は、捜査機関や裁判所に対する申告や申し立てを要する手続きであり、準備には多大な労力と時間を費やすことになります。
問題となっているコメントの悪質さが申告や申し立てをするのに見合うほどであるかどうか、冷静に判断しましょう。
「YouTuber世論調査」では、コメントを投稿する際には名前・性別・年齢の入力が求められます。
ただし、本名を記載するといったルールはなく、本人確認も行われないので、氏名が記載されていてもそれが真実かどうかはわかりません。
実際のコメントをみても、ほとんどが匿名やニックネームを用いて投稿されている、という実情があります。
刑事告訴・損害賠償請求といった法的手続きを進めるためには、投稿者の特定が必要です。
したがって、弁護士に依頼して「発信者情報開示請求」「発信者情報開示命令」を行うことが求められるのです。
YouTuber世論調査のように、不特定・数のユーザーが自由に意見を発信できるサイトで投稿者を特定するためには「発信者情報開示請求」という手続きを行う必要があります。
発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法という法律を根拠に、他人の権利を侵害する表現を行った発信者の個人情報の開示を求めることができるという制度です。
開示請求が認められたら、投稿者の住所・氏名・登録上の電話番号といった個人情報が判明します。
発信者情報開示請求では、裁判所の制度を活用します。
まず、YouTuber世論調査の運営会社に対して、投稿者がコメントを投稿した際の「IPアドレス」などの情報開示を求めます。
任意での開示に応じるサイトもありますが、YouTuber世論調査では「捜査機関や裁判所からの開示請求を除き、任意での開示には応じないという姿勢」が明示されています。
そのため、裁判所の仮処分による命令を取り付けなければなりません。
裁判所への申し立てによってIPアドレスなどの開示を受けたら、その情報から投稿者が利用したインターネット回線を提供しているインターネットプロバイダに対して、契約者情報の開示を求めます。
こちらも、インターネットプロバイダは契約者の個人情報を厳格に管理しているため、個人の権限で開示を求めても応じてもらえません。
裁判所に訴訟を申し立てて、開示を命じる判決を得る必要があるのです。
発信者情報開示請求は、基本的にサイト運営者などの「コンテンツプロバイダ」とインターネット回線を提供する「インターネットプロバイダ」への2段階の請求によって実現するものです。
ただし、投稿者がケーブルインターネットやいわゆる「格安スマホ」「格安SIM」などを提供するMVNO業者の場合には、2段階目となるインターネットプロバイダが契約者情報を保有していません。
このような場合には、直接契約をしている業者に対してさらに開示請求しなければならないので、3段階以上の手続きが必要となるのです。
令和4年秋からスタートした新しい発信者情報開示命令という制度では、2段階の請求を行わずとも発信者情報を開示できるようになりました。しかし、場合によっては複数回の手続きが必要となる可能性があり、2つの制度をどう使うのが最適なのかは状況によりけりです。弁護士に相談しつつ手続きを進めましょう。
なお、弁護士に依頼するメリットは他にもあります。次章で解説します。
YouTuber世論調査に誹謗中傷などにあたるコメントが投稿されてしまった場合は、弁護士にご相談ください。
YouTuber世論調査では、特定の自然人・法人に対する誹謗中傷にあたるコメントや、公序良俗に反するコメントについて、運営会社の裁量で削除することが明示されています。
つまり、コメントを削除するためには、「そのコメントは誹謗中傷や公序良俗に反するものである」ということを、法的な観点から客観的に示す必要があるのです。
弁護士に相談すれば、法律の専門家としての立場から問題のコメントを分析して、どのような権利侵害にあたるのかを正確に判断できます。
明らかな権利侵害である旨を弁護士が代理人として主張して、削除を依頼することで、運営会社が削除に積極的な姿勢へと向かう可能性が高まり、迅速な削除の実現へとつながるでしょう。
YouTuber世論調査に投稿されたコメントの投稿者を特定するためには、複雑で手間のかかる「発信者情報開示請求」を経なければなりません。
しかし、YouTuber世論調査をはじめとして、コンテンツプロバイダ側が投稿者のIPアドレスなどの情報を保有している期間はおおむね3か月程度と非常に短くなっております。
そのため、悪質なコメントを発見した時点で、発信者情報開示請求は迅速に行う必要があるのです。
権利侵害にあたる証拠を短期間で集めて、説得力の高い申し立てを行うことは、法律の実務を経験していない個人にとっては困難でしょう。
弁護士に相談すれば、発信者情報開示請求による投稿者の特定を依頼できます。さらに、弁護士に依頼することで、仮処分などそのほかの制度を利用してログの削除を一時的に止めることができるケースがあります。結果、裁判所が注目する点を迅速にピックアップして的確に手続きを進めることで、投稿者の特定が実現しやすくなるのです。
投稿者を特定した場合は、刑事告訴による刑事責任の追及とあわせて、減収によって生じた実損分や慰謝料といった損害賠償請求を検討することになるでしょう。
刑事告訴は、犯罪の被害者が警察に対して「犯人を厳しく処罰してほしい」と求める手続きです。
原則的に、告訴の際には、事実の特定や加害者を特定した経緯、事件の背景などを詳しく記載した「告訴状」の提出を求められます。
告訴状は被害者自身が作成することも可能ですが、法律の知識がない方が、適切な内容の告訴状を作成することは難しいでしょう。
また、捜査機関は刑事告訴の受理に消極的な面もあるので、告訴状の作成や提出は法律の専門家である弁護士に一任することをおすすめします。
損害賠償請求においても、損害額の特定や根拠、投稿者との示談交渉、調停や訴訟といった裁判所への申し立てなど、多大な労力が必要となります。
特にYouTuberの方は、普段から取材・企画・撮影・編集といった膨大な作業をこなす必要があるため、損害賠償請求のために労力を割くことも難しいでしょう。
したがって、損害賠償請求についても、弁護士に依頼することをおすすめします。
「YouTuber世論調査」は、YouTuberの人気度をユーザーが評価するサイトです。
YouTuberにとっては自身の人気を確認するのに役立つサイトですが、だれでも自由にコメントを投稿できるため、誹謗中傷やプライバシー侵害につながる内容が投稿される危険も存在します。
YouTuber世論調査に悪質なコメントが投稿されてしまうと、YouTuberとしての人気が低下してしまうだけでなく、再生回数の減少による広告収入の減収をまねいてしまうかもしれません。
誹謗中傷やプライバシー情報のさらし行為などが含まれる、悪質なコメントを削除したいと考えるなら、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。
削除依頼だけでなく、刑事告訴・損害賠償請求などの法的手続きも含めて、経験豊富な弁護士がサポートします。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。
誹謗中傷や風評被害などのインターネットトラブルでお困りの際は、お電話やメールにてお問い合わせください。
※記事は公開日時点(2025年01月29日)の法律をもとに執筆しています