削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
まず、Amazonにおける評価・レビューのシステムには「出品者への評価」と「商品へのレビュー」の2つがあります。
悪質なレビューの削除を求める際は、出品者・商品のどちらに対する評価なのかを明らかに区別しなければなりません。
商品の購入者は、出品者、つまりあなた自身やあなたが経営している会社について、5段階の星による評価とコメントを投稿できます。
Amazon側が出品者に関する評価を設けて公開しているのは、実際の購入者によるショッピングの体験を集めることでサービス改善に役立てるためです。
コメントとして投稿できるのは次のような内容に限られます。
Amazonで出店するにあたって、特に注目すべき評価はこの「出品者への評価」でしょう。
たとえ魅力的な商品を出品していても、ほかの出品者も同じ商品を出品していた場合、購入者が見比べるのは「サービス品質が高いショップなのか?」という点です。
評価が低い出品者は「品質が低いショップ」と判断されやすくなってしまいます。
Amazonでは購入者が商品そのものにもレビューを投稿できます。
同じ商品の購入を検討しているほかのユーザーに向けて、5段階の星による評価とコメントの投稿が可能です。
また、ほかのユーザーからの質問にも回答できます。
たとえば、あるスニーカーについて購入を検討している方が「私の足のサイズは25.0センチですが、どのサイズを購入すればよいでしょうか?」と質問した場合に「少し小さめのデザインなので1センチ大きなものを選ぶとフィットする」といった回答が可能です。
Amazonにおけるレビューの削除の基準を確認していきましょう。
Amazonが出品者や商品のレビューを公開している目的は、ショッピングや商品を使用した体験を多くのユーザーの間で共有し、有意義なネットショッピングを実現してもらうことにあります。
そのため、原則として、たとえ低評価であったり、すでに問題が解決していたりしても、購入者が投稿したレビューは削除されません。
正当なレビューは、評価の高低に関わらずこれから商品を購入しようと検討しているユーザーにとって有益な情報になるので削除されません。
ただし、Amazon側が設けたコミュニティーガイドラインに抵触する投稿については削除できる可能性があります。
そのひとつが、出品者への評価と商品のレビューを混同したものです。
Amazonは、出品者と商品のレビューを厳格に区別しています。
購入を検討しているユーザーが「どんなショップなのか?」を知りたがっているのか、それとも「よい商品なのか?」を調べようとしているのかに適切な答えを提供するためです。
出品者への評価に「期待していたほどの効果がなかった」と商品に関するレビューする投稿、その反対で、商品へのレビューとして「配送予定日に届かなかった」と出品者に関してコメントをする投稿は、削除の対象となります。
出品者・商品のどちらに対するレビューであっても、嫌がらせや攻撃を目的としたものは削除の対象です。
Amazonでは、評価の星が5・4を「高い評価」とし、高い評価の合計を全評価数で割ることで評価の点数をパーセント表示しています。
星による評価で3~1を受けてしまうと、高い評価が占める割合が減るので評価が下がるという仕組みです。
不当な3~1の星評価や嫌がらせ・攻撃的な目的をもった悪質なレビューを放置しておくと評価の低下を招きます。
Amazon側が定めた基準に従って削除が可能な投稿については、削除を申請しましょう。
出品者への評価は「Amazonセラーセントラル」から申請します。
画面上部の「パフォーマンス」のタブを選択し、さらに「評価」を選択すると、これまでの評価が一覧形式で表示されます。
問題の評価を選択し、アクションタブから「評価の削除を依頼する」を選べば削除申請は完了です。
Amazon側がガイドラインに照らして削除すべき投稿であることを確認すると、評価が削除されます。
商品のレビューを削除する際も、「Amazonセラーセントラル」から申請します。
画面右上の「ヘルプ」から「サポートを受ける」を選択し、さらに「メニューで問題を閲覧する」を選びます。
次に「商品のレビュー」を選択するとフォームが展開するので、レビューのタイトル・投稿者・リンクのURLなどを記入し、Eメールアドレスを入力して送信すると削除申請は完了です。
Amazonに対する削除申請で注意しておきたいポイントを挙げておきましょう。
Amazonに投稿された評価・レビューは、原則として変更・削除できません。
ガイドラインに抵触する投稿は削除される可能性がありますが、個人や一企業による対応では削除を実現するのは難しいでしょう。
Amazonにおける悪質なレビューの削除は、経験豊富な弁護士にまかせたほうが安全です。
弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人としてアマゾンジャパンに対して書面を郵送し、削除を求めることが可能です。
書面での削除申請では、Amazon側が定めているガイドラインのどの部分に抵触しているのか、どのような権利侵害が生じているのかを明確に示さなくてはなりません。
不十分な内容では削除を実現できる可能性は低いので、法律上の主張を整えて、具体的に指摘できる弁護士に対応を一任しましょう。
Amazonへの申請では削除が実現できなかった場合は、法的手段による削除を検討することになります。
ガイドラインはあくまでも「Amazon側が決めたルール」であり、法律の定めではありません。
削除をAmazon側が受けいれなかった場合でも、法律上の権利侵害が生じていれば、「仮処分」の申し立てをおこなうことで裁判所が削除を命じる可能性があります。
仮処分申し立ては裁判所の手続きを利用するため、決して容易ではありません。
証拠収集や裁判官への説明にも法的な知識や経験が必須なので、弁護士へ相談されることをおすすめいたします。
嫌がらせや攻撃的な目的で低評価のレビュー投稿を受けた場合は、投稿者の責任を追及したいと考えるのも当然です。
しかし、Amazon上でのアカウントだけでは、どこの誰が投稿者なのかわかりません。
購入者や商品の配送先といった情報も、投稿者と一致していないおそれがあります。
悪質なレビューの投稿者を特定するには、裁判所の手続きを活用した「発信者情報開示請求」をおこなう必要があります。
発信者情報開示請求は、Amazonに対するログなどの開示と、投稿者が利用したインターネットプロバイダに対する契約者情報の開示という二段構えの手続きです。
また、2022年10月1日から改正されたプロバイダ責任制限法が施行され、発信者情報開示命令に関する裁判手続の運用が始まりました。この手続きを利用することで、従前の手続きよりも、簡便かつ迅速に、投稿者の氏名や住所の開示がなされることが期待されています。
上記どちらの手続きを採ったとしても、法的知識が必要であり、多大な手間がかかる上に、Amazonがログを保管している期間には限りがあり迅速な対応が欠かせないので、経験豊富な弁護士にまかせましょう。
悪質なレビューの投稿者を特定できた場合、投稿者に対し損害を賠償するよう交渉を進めることになります。
任意の交渉では支払いに応じない場合は、訴訟を起こして裁判所による判断を得るほかありません。
穏便な交渉や訴訟の対応に時間と労力を費やしていると、本来のビジネスに支障をきたすおそれもありますので、弁護士に対応を一任することをおすすめします。
Amazonにおける悪質な評価・レビューを放置していると、商品の購入を検討しているユーザーに「低品質な出品者・商品である」という誤った情報を与えてしまいます。
出品者による削除申請も可能ですが、Amazon側が定めているガイドラインに照らして判断されるため、任意の手段では削除に応じてもらえないケースも少なくありません。
Amazonに投稿された悪質な評価・レビューの削除を実現するには、経験豊富な弁護士のサポートが必要です。
Amazonへの削除申請や投稿者の特定、損害賠償請求などの対応は、ITトラブルの解決実績を豊富にもつベリーベスト法律事務所におまかせください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。ぜひ、お気軽にご相談ください。
※記事は公開日時点(2023年02月22日)の法律をもとに執筆しています