削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
土地や建物といった不動産物件は「暮らし」に関わる重要なものです。
そのため、買う、借りるという選択を迫られる人は、安全な取引を実現しようと様々な角度から情報を収集します。
現代社会における情報収集の主要な手段はインターネットです。
インターネットに情報を掲載するからこそ契約につながる可能性が高まりますが、一方で、インターネット上に悪い口コミが掲載されてしまうと、買い手、借り手から敬遠されてしまうかと思います。
自分が所有している不動産物件の悪い口コミが掲載されてしまった場合は、どのように対応すればよいのでしょうか?
不動産情報サイトや口コミサイトには、必ず「問い合わせ」のフォームや窓口が用意されています。
口コミを含めて情報の削除を求めるなら、まずはこれらを通じて削除可能か否かについて、運営会社に問い合わせましょう。
ただし、問い合わせに対してどのように対応するのかは運営会社やサイトの方針次第です。
詳しい事情の説明を求める返答があったり、削除の可否について回答があったりする場合があれば、削除の可否や結果を一切答えないといったサイトも存在します。
前者の場合は誠実に対応することによって不動産所有者の事情を説明する機会もあるはずですが、後者の場合は定期的にサイトを閲覧しながら削除されているかどうかを確認するしかありません。
削除請求に対してそれに応じるかどうかは、各サイトが設けているガイドラインに従って判断されます。
ガイドラインにおける削除の基準はサイトによって異なるので、実際に不利益が生じていても削除に応じてもらえないこともあるでしょう。
削除請求に応じてもらえない場合は、裁判所の手続を活用して削除を実現するしかありません。
仮処分申立てや正式な訴訟といった難しい対応が必要になるので、弁護士に相談して対応を任せたほうが賢明です。
なお、弁護士への依頼は、「裁判所に申し立てをする場合」に限られると考えている方も少なくありませんが、その認識は正しくありません。
問い合わせの段階からでも弁護士への相談は可能です。
フォーム又は窓口を通じて、弁護士が対応することで、なぜ削除されるべきなのか、どのような権利侵害が生じているのかといった点を法的な角度から主張できます。
不動産所有者として個人が問い合わせるよりも誠実な対応が期待できるので、早い段階で弁護士に相談したほうがよいでしょう。
不動産情報を掲載しているサイトは数多く存在しますが、中でもその情報の特異さから注目を集めているサイトは、事故物件サイト「大島てる」です。
本サイトは元不動産業者だった大島てる氏が開設したもので、住人等が現場で亡くなった、い わゆる「事故物件」をマッピングしてその概要を掲載しています。
動画投稿サイトや映画、ドラマ又は小説等のメディアでも事故物件をテーマにしたものが人気を集めているため、不動産情報を求めている人だけでなく、興味本位で閲覧しているユーザーも少なくありません。
本サイトを閲覧した近隣の住民らを中心に、物件に関する悪いうわさ話が流れて風評被害につながるおそれがあるので、自分が所有している物件の情報が掲載されてしまったら「消して欲しい」「削除してもらいたい」と望むのは当然です。
「大島てる」に掲載された情報を削除する方法を見て行きましょう。
「大島てる」のサイト内には、他の不動産情報サイトのような問い合わせフォームや窓口は設置されていません。
大島てる氏へのメディア出演等のオファー用フォームが設置されているだけです。
ただし、個別の物件に関しては、マップ上で事故物件を示す「炎」のマークをクリックして概要を表示させたうえで、コメント欄に要望を書き込んで送信することで削除を依頼できます。
コメントへの投稿は、DISQUS、Facebook、Twitter又はGoogleのいずれかのアカウントへのログインが必要です。
コメントを投稿するとアカウントからのひも付けで名前が表示されるので、個人名や会社名が明かされてしまうアカウントからのコメントは避けたほうが安全でしょう。
また、不適切な内容のコメントには、コメント右にある「旗」マークの「不適切として報告」から通報できます。
「大島てる」は、最初は大島てる氏が個人で開設したサイトでしたが、現在は本人の手を離れて運営会社が管理しています。
名称のイメージとは異なり、個人サイトではありません。
コメント欄からの削除依頼やコメントに対する通報があった場合は、運営会社による調査のうえで、情報に誤りがあると判断されると削除されます。
ただし、削除ガイドラインは公開されていないうえに「〇日以内に削除する」といった期限や調査結果の回答などに関するルールも不明確です。
削除依頼後は、定期的にサイトを訪問しながら、情報が削除されているかどうかを確認する必要があります。
大島てる氏は、過去のインタビューにおいて「サイト『大島てる』は情報の正確性を重視する。」と公言しています。
投稿された情報やコメントの内容に間違いがあったり、不正確であったりすれば削除の対象になりますが、情報が正確なら削除されません。
この方針は、不動産物件の所有者にとって不利であっても変わらないので、実際に物件で人が死亡している事実があるなら削除は難しいでしょう。
「大島てる」への掲載を避けたいと考えるのは当然ですが、その物件で人が死亡したという事実を物件取引時に隠すのは危険です。
国土交通省が令和3年10月に策定した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、不動産取引における「心理的瑕疵」がある物件は、その内容を告知する義務が生じる可能性があります。
ここでいう「心理的瑕疵」とは、不動産物件の買い手又は借り手において、取引に心理的な抵抗が生じるおそれのある事項という意味です。
物件において人が死亡しているケースのほか、近隣に墓地や刑務所等の嫌悪される施設がある、指定暴力団の事務所や構成員の住居があるといった事情も心理的瑕疵に含まれると解釈されています。
宅地建物取引業者が心理的瑕疵物件を媒介する際は、原則として、人の死に関する事案が取引相手の判断に重要な影響があると考えられる場合、これを告げなければならないというルールがあります。
殺人や死体遺棄等の刑事事件が起きた、火災等の日常生活のなかで通常は起こりえない事故で人が死亡した、住人が自殺したといった物件では、その事実を告知する必要があります。
ただし、本ガイドラインでは、次のようなケースにおいては「告知しなくてもよい」としています。
なお、ガイドラインでは告知しなくてもよいと示されているケースでも、事件性及び周知性から社会に与えた影響が特に大きな場合や、買い手又は借り手から事実の有無を質問された場合は、期間の定めに関わらず告知義務が生じます。
これらのルールは、不動産の売買又は賃貸を媒介する不動産業者が守るべきものですが、物件の所有者が不動産業者に依頼する際は、告知書等で過去に生じた人の死に関する事項を報告しなければなりません。
不動産業者に事実を隠していると、契約者とトラブルに発展した際に責任を追及されるおそれがあると心得ておきましょう。
自分が所有している不動産物件の悪い口コミを削除したいと希望する場合には、実際に削除請求に臨む前にしっかりと準備を進めておきましょう。
インターネット上の情報は日々更新されます。
事実無根のデマや誹謗中傷があったとしても、確認した時とその後では、内容が編集されていたり、削除されたりするかもしれません。
悪い口コミを発見したら、その時点で直ちにスクリーンショットやキャプチャ機能を使い、悪い口コミが投稿されている状態の証拠を残しておきましょう。
スマートフォンやパソコンにデータを保存した後は、誤って削除や上書きをしないように別のメディアに保存する、プリントアウトして紙ベースで保存するといった対応も必要です。
悪い口コミが投稿されて多くのユーザーの目に留まるようになった後で、どのような影響が生じたのかもまとめておきましょう。
例えば、内覧の申し込みが激減した場合には申込件数の減少をまとめてグラフ化する、「事故物件なんでしょ?」といったイタズラ電話が増えた場合には日時や内容を記録する、等といった対応が考えられます。
削除請求をしてもサイト側が応じてくれない場合は、法的な請求による削除を検討することになります。
難しい対応になるので弁護士のサポートは欠かせませんが、やはり気になるのは弁護士費用の支出でしょう。
弁護士費用は、どのような対応を取るのか、事案の難易度はどのくらいか等といった事情を考慮して計算します。
ベリーベスト法律事務所では、書き込みを削除したいというご相談に関する初回の法律相談料が60分間無料です。
2回目以降は30分につき5,500円(税込)がかかります。
削除請求をご依頼の際は、最初に着手金が、削除に成功した段階で報酬金が発生します。
フォームからの申請など任意交渉による削除請求の場合は、着手金なし、報酬金は5万5000円(税込)になります。
仮処分申立てや訴訟は着手金22万円~、報酬金22万円~ですが、これらは全て一般的な事案を想定しています。
事案の難易度に応じてお見積もりをしているので、費用の面で気になる場合もまずは初回の無料相談を活用して、お気軽にご相談ください。
(参考:費用・料金|ベリーベスト法律事務所)
自分が所有している土地又は建物等の不動産物件が事故物件サイト「大島てる」等に掲載されてしまうと、大きな風評被害につながるおそれがあります。
事実ではないデマなら削除依頼によって悪い口コミを消してもらえる可能性がありますが、情報が真実なら正しい不動産取引を確保するための公共性や公益性を鑑みて削除に応じてもらえないおそれがあるでしょう。
「大島てる」などのサイトに掲載された風評被害につながる不利益な情報を削除したいなら、法的な角度から削除が可能かどうかを検証し、削除に向けて証拠を収集する必要があります。
個人での対応は難しいので、直ちに弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。
削除請求に関するアドバイスやサポートをお求めなら、知見が豊富なベリーベスト法律事務所にご相談ください。
難易度が高い事案でも、削除請求の専門チームと一丸になり削除の実現に向けて尽力します。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。ぜひ、お気軽にご相談ください。
※記事は公開日時点(2023年04月06日)の法律をもとに執筆しています