削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
日本において、インターネットが「個人が自由に発言できる場所」という位置づけになった背景として、間違いなく大きな存在となったのが「2ちゃんねる」です。もしかしたら、サイト自体を知らなくても、創設者が著名人であることから、「2ちゃんねる」の名称を知っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでまずは2ちゃんねるのなりたちや、特徴を整理していきましょう。
2ちゃんねるは、平成11年にネットユーザーの西村博之(通称:ひろゆき)氏による個人サイトとして誕生しました。もともと、別の掲示板サイトのユーザーだった西村氏は、そのサイトのサブ的な位置づけとして「2ちゃんねる」と命名したといわれています。
当時は、自由な発言を許すインターネット掲示板が存在しなかった時代でした。
多くのネットユーザーから支持を集めた2ちゃんねるは、ほかに類をみない巨大な掲示板サイトとして利用者が激増し、個人ユーザーがスレッド内で創作・公開していた物語が「電車男」として映画化されて大ヒットするなど、一大ムーブメントを築きました。
一方、2ちゃんねるの存在が世間から注目されることになったきっかけのひとつとして、2ちゃんねるが犯罪に利用されていたことが理由として挙げられます。
自由な発言が許されるうえに、運営側がユーザーのIPアドレスなどを保管していない完全匿名の掲示板サイトだったので、特定の人に対する誹謗中傷だけでなく、犯罪予告なども相次いだのです。
殺傷事件などの大事件を起こす前に、2ちゃんねるで犯行を予告していた事例なども注目されたため、平成15年からはIPアドレスが保管・管理されることになりました。これを契機に2ちゃんねるは完全匿名の掲示板サイトではなくなり、法的な手続きを踏めば、投稿者を特定することができるようになっています。
「5ちゃんねる」は、もともとの2ちゃんねるの管理権争いによる分裂で生まれた掲示板サイトです。
現在は、もともと使用されていた「2ch.net」のURLをブラウザーへ入力すると、自動的に「5ch.net」のURLへ転送されます。つまり5ちゃんねるとは、もともと2ちゃんねると呼ばれていたサイトそのものなのです。
他方で、2ちゃんねるは「2ch.sc」というURLで現存します。しかも、通常に投稿できるだけでなく、5ちゃんねるに投稿されたコメントも、多少のタイムラグを経て2ちゃんねる内のまったく同じスレッド内にコピーされている点も大きな特長です。
どのような仕組みでコピーされているかについては、クローラと呼ばれる、インターネット内を巡回するシステムが導入されているという情報がある一方で、手動でコメントをコピーしている可能性もあるといわれていますが、真実は明らかではありません。
5ちゃんねる、または2ちゃんねるのいずれかに誹謗中傷の書き込みを受けた場合、パッと見ただけでは、どちらのサイトに投稿されているのかがまぎらわしく、見分けがつかないケースも多いでしょう。
ここでは、5ちゃんねると2ちゃんねるの見分け方を解説します。
誹謗中傷が書き込まれた、ウェブページを確認してみましょう。
インターネットブラウザーのURLが表示されている「アドレスバー」の部分をみれば、5ちゃんねると2ちゃんねるを見分けることができます。
さらに、それぞれのトップページに掲載されている内容にも違いがあります。「http://5ch.net」 で表示されるページではブログのように最新の記事などが掲載されていますが、「http://2ch.sc」 で表示されるページには、中央に壺の絵が表示され、これをクリックすることによって掲示板へ入ることができるようになっています。
どのようなサイトであっても、パソコン・スマートフォンにかかわらず、通常の仕様ではブラウザーの上に必ずアドレスバーが表示されているものです。正しいページなのかどうかについて迷ったら、まずアドレスバーを確認しましょう。
5ちゃんねる内での書き込みは、2ちゃんねるに自動的にコピーされています。
つまり、両方のサイトに同じ書き込みが表示されるため、どちらに書き込まれたものなのかの判別がつきにくいという特徴があるのです。しかし、5ちゃんねると2ちゃんねるであれば、簡単に見分ける方法があります。
まず、投稿に必ず表示されている「ID」を確認してください。
IDの末尾に「.net」とついているものは5ちゃんねるに書き込まれたものです。
つまり、「.net」がついたIDがある場合は、見ているサイトは2ちゃんねるです。そして、その投稿は5ちゃんねるからコピーされたものだと判別できます。
なお、2ちゃんねるにはクロールによって自動コピーされるのを回避している「sc独自スレッド」が存在します。
スレッドタイトルの頭に「★」が表示されているものは、2ちゃんねる独自のスレッドの可能性が高いといえます。
2ちゃんねる、または5ちゃんねるに誹謗中傷の書き込みを受けた場合は、管理人に対して削除を請求する必要があります。
ただし、2ちゃんねると5ちゃんねるはまったく別のサイトなので、削除請求の方法も異なっています。
それぞれの削除請求の方法について確認しておきましょう。
2ちゃんねるに掲載されている書き込みを削除する方法は2つあります。
いずれの場合においても、「削除依頼の注意」のページにおいて、「 削除依頼は原則的に公開とさせていただきます。」と冒頭に記していることが、大きな特徴と言えるでしょう。
2ちゃんねるへ行われた投稿の削除を希望する場合は、通常削除対象を扱う「削除整理」と、重要削除対象のみを扱う「削除要請」のうち、いずれか適した削除依頼フォームを利用することになります。
個人への誹謗中傷、電話番号などのように公開されると不利益が発生するおそれのある個人情報の公開は、重要削除対象とみなされるため「削除要請」からの依頼が基本です。
ただし、2ちゃんねるにおける書き込みの削除は、管理人のほか、ボランティアで削除依頼に対応する「削除人」の判断によって実施されています。
フォームから削除を依頼しても確実に削除が実行されるわけではなく、スピーディーな削除が約束されるわけでもありません。
そこで有効になるのが、裁判所に申し立てをして削除の仮処分命令を得る方法です。
2ちゃんねる内の書き込みは利用者の自己責任によって投稿されているものなので、管理人の権限による削除はできるだけ控えられています。
裁判所からの削除の仮処分命令があれば、スムーズな削除が期待できるでしょう。
なお注意したいのは、前述の通り、2ちゃんねるに対する削除依頼は、理由も含めて、すべて掲示板で情報が公開されてしまうという点です。つまり、どのような書き込みに対して、削除請求をだしているのか、すべての利用者が閲覧できてしまうのです。この公開された削除依頼をさらに削除請求することもできません。
裁判所の命令を得ている場合でも、削除要請のフォームからの依頼が原則です。
削除の理由や依頼者の名前などをすべての利用者に知られたくない場合にはどうしたらいいのでしょうか。代表的な方法としては、弁護士に対応を依頼し、裁判所の仮処分命令を得ることが挙げられます。
裁判所の仮処分命令を得ている場合、削除の掲示板では、知られたくない情報を記載する必要はなく、単に削除仮処分命令と記載すればよいためです。弁護士に依頼して仮処分命令を得ていれば、訴状に記載されている債権者名は弁護士となりますし、削除したい理由についてなど詳細な理由を掲示板に記載する必要がありません。
そのため、削除する理由について、他人に知られたくない事情がある場合には、裁判所の仮処分命令を得るという方法を選択するとよいと思います。
5ちゃんねるにおける書き込みを削除する方法は3つです。
誹謗中傷など、権利侵害にあたる書き込みについてはメールによる削除要請が可能です。
URL、レス番号、削除の理由や証拠資料、本人確認書類を添えて管理人宛てにメールを送信し、削除が適当と判断されれば削除されます。メールの内容が公開されることはありません。
ただし、メールによる削除要請は管理人の判断になるため、必ずしも削除が約束されるわけではありません。
できるだけ確実に削除したいのであれば、裁判所に申し立てて削除命令を受けるほうが賢明です。
5ちゃんねるの現管理人である「Loki technology」宛てに命令が下されれば、原則的に削除されます。
できるだけ確実に削除したいが、裁判所を通すのではなく、手続きを簡略化してスピーディーに削除してもらいたいという場合は、5ちゃんねるが認めた弁護士からの削除請求が有効です。
5ちゃんねるでは、過去に受けた削除請求のやり取りを参考に、表現の自由に配慮したリーガルマインドを持った弁護士を把握しています。
5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求であれば原則的に削除されるので、スムーズな削除を求めるのであれば、まず5ちゃんねるの削除請求について実績のある弁護士に相談するのがおすすめです。
5ちゃんねるに書き込まれた投稿が2ちゃんねるにコピーされている状況があるので、投稿されたページだけをみると、どちらのサイトなのか判別がつきにくいこともあるでしょう。ただし、5ちゃんねると2ちゃんねるは、ルーツを同じにしながらもまったく別の掲示板サイトです。
匿名で書き込める自由さがある一方で、誹謗中傷の投稿がなされてしまった場合などは、トラブルが大きくなることも予想されます。不愉快であるのはもちろんのこと、社会的な信用を失墜させられてしまうおそれもあるため、早急な対応が必要です。
書き込みに焦り、ひとりで対処しようとしても、削除まで時間がかかることも少なくありません。その間も、投稿は残り続けてしまいます。
弁護士に相談すれば、5ちゃんねる、2ちゃんねるの削除ガイドラインに合致しているのかを判断し、より確実に削除が実現するためのサポートが可能になります。
5ちゃんねる、2ちゃんねるにおける誹謗中傷の投稿を削除したいと悩まれている方は、5ちゃんねるはもちろん、2ちゃんねるにおいても削除依頼を実現してきた実績のある、ベリーベスト法律事務所にお任せください。
ご連絡、お待ちしています。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。
誹謗中傷や風評被害などのインターネットトラブルでお困りの際は、お電話やメールにてお問い合わせください。
※記事は公開日時点(2022年12月13日)の法律をもとに執筆しています