削除依頼・投稿者の特定
5ちゃんねるや2ちゃんねるなどへの
悪質な書き込み削除のご相談は弁護士へ
弁護士コラム
「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」は完全匿名でコメントを投稿できる掲示板サイトです。一見、誰が書き込んだのかわからない仕組みになっているため、気兼ねなく意見を投稿できるという良さがある反面、根も葉もない誹謗中傷や攻撃的な書き込み、個人情報の晒しなどが横行しやすいという問題があります。
5ちゃんねるの運営側は、自由な投稿を尊重している立場ですが、誹謗中傷や個人情報の晒しなども自由に許してはいません。一定の基準を満たす必要がありますが、5ちゃんねるへの書き込みは申請による削除が可能です。
ただし、5ちゃんねるへの悪質な書き込みは「5ちゃんねるだけに削除を申請すれば解決できる」というわけではないという問題が存在します。なぜなら、5ちゃんねるへ行われた書き込みは、複数のサイトへ転載されていることが多いためです。
この問題を解決するためには、5ちゃんねると「2ちゃんねる」や「まとめサイト」などの違いを正しく理解しておかなければなりません。
5ちゃんねるは、さまざまなメディアにも登場している「ひろゆき」こと西村博之氏が「2ちゃんねる」として立ち上げた掲示板サイトです。
平成26年、管理者権限をめぐった争いが発生し、西村氏はもとの2ちゃんねるの運営から退くかたちになりました。しかし、日本国内で「2ちゃんねる」を名乗る権利を保有しているのは西村氏です。そのため、西村氏は新たに立ち上げた匿名掲示板サイトに「2ちゃんねる」と名づけます。もとの2ちゃんねるは「2ちゃんねる」というサイト名を使うことができなくなったことから、「5ちゃんねる」へと改称しました。
なお、新たに立ち上げられた2ちゃんねるは、5ちゃんねるの内容を定期的に読み込んで自動でコピーして投稿する技術を用いています。そのため、書き込みの内容をみただけでは、5ちゃんねるへの投稿なのか、2ちゃんねるへの投稿なのか、区別できません。
こうして、一見同じサイトに見える「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」と「2ch.sc(現 2ちゃんねる)」が生まれたのです。
上記のとおり、問題の投稿が5ちゃんねるか2ちゃんねるのどちらへ行われたものなのか、見分ける場合にはドメインに注目する必要があります。
「まとめサイト」とは、5ちゃんねる上の書き込みを抜き出して転載し、ひとつの記事として掲載しているサイトです。
5ちゃんねる上で注目が集まったスレッドは、多くのユーザーがさまざまなコメントを投稿するため、無意味な文章の繰り返しや記号を用いて絵を描くアスキーアートなどの書き込みが増えます。まとめサイトでは書き込みを抜き出しているのでどのような話題なのか、どんな注目発言が飛び出したのかなどをピックアップして掲載しているので、短時間で内容を知りたい方に人気があるようです。
ただし、まとめサイトを運営しているのは、5ちゃんねるではありません。書き込みの削除依頼は、5ちゃんねるとは別に申請する必要があるので、注意が必要です。
5ちゃんねるへの削除申請で削除されるのは、「削除ガイドライン」に照らして、法的な権利侵害にあたると判断される場合です。
具体的には、次の4つにあたる書き込みが権利侵害となります。
なお、削除依頼の申請を受けて、その書き込みがこれらの権利侵害にあたるのかどうかを審査するのは「削除人」と呼ばれるボランティアです。
5ちゃんねるに対して書き込みの削除を依頼する方法は、大きくわけて4つです。
どのような状況で、なぜ削除を求めるのかによって、依頼するルートを使い分ける必要があります。
5ちゃんねる運営者に対してメールを送信し、削除を依頼する方法です。
「meiyokison@5ch.net」に対して必要事項を記載したメールを送信し、審査のうえで削除が適当と判断されれば書き込みが削除されます。
「削除申し立て」という件名で、本文欄には次の内容を記載します。
さらに、メールには次の資料を添付します。
この方法を使えば、削除依頼を申請したことは5ちゃんねる運営者のほかに知られずに済みます。
誹謗中傷を受けている、個人情報の晒しを受けているといった被害者本人から申請する場合は、メールによる削除依頼が安全です。
5ちゃんねるのサイト内に用意されているフォームから削除依頼する方法です。
「削除要請フォーム」からアクセスし、注意事項を理解したうえで、ページ下部に設置されている各項目を漏れなく記載し、送信します。
削除要請フォームから削除を依頼できるのは、5ちゃんねるが掲げる削除ガイドラインのなかで「重要削除対象」に該当するものに限られます。
具体的には、次のような依頼が対象です。
ここで覚えておかないといけないのが、削除要請フォームからの申請はすべて5ちゃんねる上で公開されるという点です。
誹謗中傷や個人情報が、これまでに注目していなかったユーザーの目に触れるおそれがあるので、二次被害を起こす危険があることを理解しておきましょう。
5ちゃんねる内の「削除整理板」にある各スレッドにおいて削除を依頼する方法です。記載する内容は削除要請フォームと同様で、各スレッドへの投稿による依頼のほか、専用フォームからも依頼できます。
削除ガイドラインにおける重要削除対象にあたらない、通常の削除対象はこの削除整理版から申請しなくてはなりません。
削除整理板からの依頼も、削除要請フォームからの依頼と同じで申請内容が5ちゃんねる全体に公開されます。
ほかのユーザーに「削除依頼を申請した」と知られることで炎上などのリスクが高まるので、誹謗中傷や個人情報の晒しによる被害者ではなく、これらの権利侵害を発見した第三者が活用する方法だと考えておいたほうがよいでしょう。
5ちゃんねるが用意している削除依頼のルートは、メール・削除要請フォーム・削除整理板の3つです。ただし、5ちゃんねる側は運営会社である「Loki Technology, Inc.」に対する裁判所の決定については「原則従う」という方針を示しています。
裁判所への「仮処分申立て」によって削除を命じる決定を得た場合は「meiyokison@5ch.net」に対して疎明資料を添付したメールを送信すれば申請完了です。
裁判所の手続きを利用する方法なので、メール・フォームなどによる申請と比べると手間も時間もかかりますが、5ちゃんねるの削除ガイドラインに照らして削除されないケースでも削除できる可能性があります。
5ちゃんねるに投稿された書き込みは、ほぼ同じかたちで2ch.sc(現 2ちゃんねる)へも転載されます。また、注目を集めてしまった書き込みはまとめサイトでも転載されるおそれが高いため、ネット上ではいたるところで自分の話題や情報が人目に晒されてしまいかねません。
ここで気になるのが、5ちゃんねるの書き込みについて削除を依頼した場合、ほかのサイトも連動して書き込み削除がされるのか? という点です。結論から言えば、両方とも別の管理者が存在するサイトになるのでそれぞれに対して書き込み削除の依頼が必要となります。
2ちゃんねるは5ちゃんねるの投稿をクロール・コピーしているので、特に注目を集めているスレッドや発言ではなくても転載されている危険があります。すると、5ちゃんねるに依頼して書き込みが削除されたなら「2ちゃんねるも自動で削除されるのでは?」と期待するかもしれません。
ところが、クロール・コピーは「投稿したとき」の情報にもとづいており、自動では削除されないのです。したがって、2ちゃんねるに転載された書き込みを削除するには、2ちゃんねるへも個別に削除依頼を申請する必要があります。
2ちゃんねるへの削除依頼のルートは、全件公開される「削除要請板」と「削除整理板」の2つだけです。5ちゃんねるのように非公開のメールによる申請は受け付けていないので、第三者に知られないように削除を申請したいと考えても、裁判所の仮処分申立てのほかに選択肢がない点に注意が必要です。
まとめサイトは作成者が5ちゃんねるを閲覧して注目すべきコメントを取捨選択して掲載しているだけのサイトとなります。言うなれば、5ちゃんねるの書き込みをクロール・コピーしている2ちゃんねるとは異なり、「文章をコピー・ペーストしているだけ」です。つまり、5ちゃんねるの投稿・削除とはシステムとして一切連動していないのです。
複数のまとめサイトに誹謗中傷や個人情報の晒しにあたる書き込みが転載された場合は、それぞれに対しても個別に削除依頼を申請する必要があります。
もし、世間が大きく注目する話題で、数多くのまとめサイトに転載されてしまったとすれば、転載先となったすべてのまとめサイトに対する申請が必要です。もちろん、削除依頼の方法や削除を認める基準などはサイトごとに異なり、各サイトのルールに従わなくてはならないので、1件ずつ確実に削除していくのは大変な作業になるでしょう。
5ちゃんねるに誹謗中傷や個人情報の晒しなどの書き込みが投稿された場合は「いますぐ削除してほしい」と望むのが当然です。
どうすれば5ちゃんねるの書き込みを素早く削除できるのでしょうか?
自分で削除依頼の申請に対応する場合は、メール・削除要請フォーム・削除整理板の3つのルートから選択することになります。これらの方法で削除に向けたなんらかのアクションがあるまでの期間は、おおむね2週間以内です。
5ちゃんねるでは、削除依頼から2週間が経過しても削除・却下・返答がない場合は「meiyokison@5ch.net」に問い合わせるようアナウンスしています。
このアナウンスは、5ちゃんねる運営側が「削除依頼の申請を受けたら2週間以内になんらかの対応を取る」という姿勢を示しているとも解釈できるので、これらの方法で申請しても削除されるまでには2週間程度の時間がかかると考えておきましょう。
5ちゃんねるへの書き込みをできるだけ素早く削除したいなら、弁護士への依頼がおすすめです。5ちゃんねるでは、公式サイトにおいて「5ちゃんねるが認めた弁護士からの請求」について、正当な理由があれば原則として対応すると明示しています。
過去に受けた削除請求の実績から、表現の自由に配慮したリーガルマインドを持っていると認められた弁護士による請求であれば、自分で申請するよりもスムーズに削除を実現できる可能性が高まるでしょう。
自分で請求しても5ちゃんねる側が審査したうえで削除に応じる可能性があることは否定できません。しかし、冒頭でも紹介したとおり、5ちゃんねるは1日あたり数百万件の単位で投稿が繰り返されているほどの巨大な掲示板サイトです。
削除依頼を申請しても「順番待ち」の状態が続くので、5ちゃんねるが認めた弁護士が代理人として申請したほうが、個人からの請求よりも素早い対応を期待できます。
また、5ちゃんねるが削除に応じなかった場合は裁判所の仮処分申立てに踏み切る必要がありますが、個人が手続きの準備を進めるのは簡単ではありません。なぜ書き込みが削除されるべきなのかを客観的に主張・立証するためには、法律の知識やITトラブルへの経験値が求められるので、弁護士に一任するのが最善です。
「5ちゃんねる」に誹謗中傷や個人情報の晒しなどにあたる書き込みが投稿されてしまうと、多くのユーザーの目にとまってしまうでしょう。さらに、2ちゃんねるやまとめサイトにも転載され、広く世間に拡散されてしまう危険があります。
5ちゃんねるへの悪質な書き込みを削除したいと望むなら、ベリーベスト法律事務所におまかせください。
ベリーベスト法律事務所では、すでに多くの投稿において5ちゃんねるが認めた弁護士からの削除依頼を行っており、日々実績を積み重ねております。5ちゃんねるが提示する条件と一致する書き込みであれば、素早く書き込み削除が実現できるでしょう。
誹謗中傷や個人情報の晒しを放置する時間が長引けば、権利侵害の状態が続き、さまざまな損害が生じてしまいます。迅速かつ確実な削除を期待するなら、ためらうことなくベリーベスト法律事務所にご相談ください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
インターネット上の誹謗中傷や風評被害などのトラブル対応への知見が豊富な削除請求専門チームの弁護士が対応します。削除してもらえなかった投稿でも削除できる可能性が高まります。ぜひ、お気軽にご相談ください。
※記事は公開日時点(2022年10月13日)の法律をもとに執筆しています